副甲状腺機能低下症の症状

副甲状腺機能低下症の主な症状は、低カルシウム血症に由来する症状です。具体的には手足のこむら返りや痙攣発作、痺れなどです。特に痙攣発作については、重度の場合には意識を失うこともあり、てんかんに似た症状を見せます。混同されることもあるため注意が必要です。また、白内障を併発することもあります。これらの症状は、特発性/続発性/偽性の区別を問わず共通のものです。
  
そのほかに、偽性副甲状腺機能低下症のみに見られるものとして、身長や首や指(特に第4および第5指)が短いという体型的特徴があります。この特徴は遺伝による部分が大きく、同家系内での発症が目立ちます。

副甲状腺機能低下症の原因

特発性と続発性の副甲状腺機能低下症については、何らかの理由で副甲状腺の機能が低下し、ホルモンであるPTHの分泌が不足してしまうことが原因です。このうち、外傷や手術などによって副甲状腺に障害が出ていたり、先天的な要因で副甲状腺が正常に機能していない状態を続発性と呼びます。
  
一方、原因を明確に特定できない場合には特発性と呼ばれます。もうひとつの偽性については根本的にこれらとは異なり、PTHが正常に分泌されているにもかかわらずPTHが作用していない状態のことです。こちらの原因としては、細胞内シグナルの伝達メカニズムの障害が考えられます。

副甲状腺機能低下症の治療法

先天性要因の場合や原因が特定できないケースもあるため、副甲状腺機能低下症の確実な予防策というものはありませんが、血中のカルシウム濃度を保つよう心掛けることで、低カルシウム血症の症状が出にくくなるよう気をつけることは可能です。
  
副甲状腺機能が低下しているとカルシウムが尿として排出されやすくなりますので、腎機能が低下する疾患を予防することが、低カルシウム血症の対策としても有効です。

病型が多いため、診断をはっきりし、適切な治療を行うことが大切です。