赤芽球癆の症状

赤芽球癆は再生不良性貧血の一種ですが、中でも特殊なタイプであるため、症状は多くの再生不良性貧血とは異なります。欠乏するのが赤血球だけですから、ごく一般的な貧血と同様の症状しか見られません。  
  
具体的には動悸、息切れ、立ちくらみ、頭痛、顔面の蒼白といった症状です。ほかの再生不良性貧血のように発熱が出たり、歯肉や消化管からの出血といったことは基本的には出にくいと考えてよいです。
  
しかしながら、免疫機構に問題が生じているという点では再生不良性貧血と同様ですので、単なる貧血だと楽観視してしまうと症状が悪化するおそれがあります。

赤芽球癆の原因

赤芽球癆は、ほかの再生不良性貧血と同じく造血幹細胞の異常によって発症するものです。赤血球は造血幹細胞からいくつかの段階を経て成熟しますが、赤芽球癆の場合は「赤芽球」と呼ばれる段階において激減してしまうことが赤血球量の低下の直接的な原因です。
  
慢性赤芽球癆では胸腺腫を併発し、免疫機構に障害が出やすいことから、自己免疫疾患のひとつだと考えられます。突発性の場合も40%程度あります。急性赤芽球癆の場合は、抗生物質やウイルスによって発症することが考えられます。ウイルス感染として有名なのがリンゴ病(伝染性紅斑)の感染後に起こることがあります。

赤芽球癆の治療法

先天性赤芽球癆は乳幼児に発症する疾患で、そのうち25%程度は常染色体遺伝です。この場合、有効な予防策はありませんので、早期に発見して対処することが大切です。後天性赤芽球癆の場合にも、突発性や自己免疫疾患の可能性が強いため、予防をするということは現実的ではありません。
  
罹患が判明した際には、感染症にかからないよう予防することが重要です。風邪すら命取りとなる可能性がありますので、健康管理が欠かせません。