後発白内障とは
後発白内障は、白内障の手術後、数か月後以降に起こる状態です。白内障手術の際に水晶体の袋を残し、中身だけを吸い出して、袋の中にプラスチック製の眼内レンズを埋め込んでいますが、その袋が濁ることで、白内障と同じような症状が再度起こることから、後発白内障と呼ばれています。数分のレーザー治療で視力が回復します。
後発白内障の症状
後発白内障の症状は、基本的には白内障と同じです。白内障では水晶体でしたが、後発白内障では水晶体嚢が白く濁ることによって視力が落ちていきます。後発白内障の現れ方は人によってまちまちで、わずか数週間後に発症する人もいれば、5年ほど経過してから突然発症する人もいます。また、混濁の進行速度にも個人差があるため、進行が遅い人の場合には症状を自覚するのに時間がかかることもあるでしょう。なお、厳密にいえば、水晶体嚢の混濁は白内障手術を受けたすべての人に現れます。
しかし多くの場合は、視力に影響が出るレベルまでは進行しません。5人に1人というのは、急激に混濁が進み、白内障と同じように視力が落ちてしまう人の割合です。
後発白内障の原因
白内障の手術は、混濁した水晶体を取り除き、人工のレンズを入れることで行われます。ただし水晶体をすべて取り除いてしまうとレンズを固定できないため、水晶体嚢(水晶体の袋)は残しておき、この中にレンズを格納することになります。ところが、手術後になってこの水晶体嚢が白く濁ってしまうことがあります。これが後発白内障が起こるメカニズムです。水晶体嚢が濁ってしまうのは、嚢の細胞が増殖した結果です。水晶体嚢は通常であれば視界の妨げとなりませんが、細胞が増殖すると厚みを増すことになります。無色透明に見えるものでも本来はわずかに色がついているため、厚みが増えると濁って見えるようになってしまいます。
後発白内障の治療法
後発白内障の予防としては、白内障手術後の点眼薬が挙げられます。しかし、しっかりと点眼薬を使用していても発症してしまう可能性はありますし、一度発生してしまうともう薬では治療することができません。進行してしまい視力が落ちた場合には、レーザー治療が有効です。これは、水晶体嚢の後ろ側の、視力に関する部分だけに穴を開ける方法です。レーザー治療を受ければ視力は戻りますし、痛みもなく短時間で終わるため広く活用されている治療法です。
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