原発性硬化性胆管炎とは
原発性硬化性胆管炎は、原因不明で胆管が慢性的な炎症によって細くなってしまう病気で、国の特定疾患に指定されている病気です。胆管が細くなると肝臓への負担が大きくなり、肝硬変や肝不全を招くおそれがあります。比較的男性に多い病気であり、発症年代としては20代と60代にピークがきます。
原発性硬化性胆管炎の症状
原発性硬化性胆管炎の症状は、初期では自覚症状のない場合がほとんどです。そのため、発見された時点ではすでに病状が進行しているケースも目立ちます。進行すると、黄疸や発熱、疲労感、体重の減少といった症状が見られるようになります。やがて肝臓や脾臓の腫れ、腹水なども認められるようになり、肝硬変や肝不全に繋がることになります。対応が遅れた場合には、10年程度で死に至ります。そのほか、合併しやすい病気としては、潰瘍性大腸炎(約37%)や胆管がん(約10%)などを挙げることができます。
原発性硬化性胆管炎の原因
現在のところ、原発性硬化性胆管炎の原因は解明されていません。免疫反応異常によって引き起こされると考えられおり、遺伝的要因が示唆されてはいますが、それ以上詳しいことは不明です。10万人に1人程度しか発症しないめずらしい病気であるため、研究もなかなか進まないのが現状です。メカニズムとしては、胆管が細くなることで胆汁の流れが滞ってしまい、これが肝臓に慢性的な負担をかけることになります。やがて肝硬変へと移行し、最後には肝不全に至ります。
原発性硬化性胆管炎の治療法
原発性硬化性胆管炎の予防策としては、定期的な血液検査が求められます。初期段階では自覚症状が見られないため、早期に発見される人では血液検査で肝機能異常を指摘されるケースが目立ちます。症例の少ない病気ですから、治療にあたっては肝臓専門の施設を受診するようにすることが勧められます。内科的治療法としてはステロイドや免疫抑制薬の投薬や内視鏡治療などがあります。しかし、患者数のサンプルが少ないため、これらの方法にどれだけの効果があるのかは不確定です。
最終的な救命手段は、肝移植のみです。余命1年程度と推察されるころが肝移植の最適期です。
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