スプーン爪(匙型爪甲)とは
爪の中央から先端に近い部分が、スプーンのようにへこみ、先が反ってしまうことがあります。このような状態をスプーン爪と言います。 さまざまな理由で爪が薄く、柔らかくなってしまい、そこに外力が加わることで症状が現れます。
スプーン爪(匙型爪甲)の症状
スプーン爪の多くは手の指に発生しますが、足の指に発生することもあります。爪が徐々に扁平になり、進行するとスプーンのように中央部分がへこみ、爪の先が上向きになります。痛みなどは特にありません。
乳幼児の手足に生じるスプーン爪は生理的なもので、ほとんどは思春期までに消失するため心配はいりません。徐々に正常の爪になっていきます。
職業性のスプーン爪は、親指、人差し指、中指の3本にスプーン爪がよくみられます。
スプーン爪(匙型爪甲)の原因
病気によるスプーン爪
鉄欠乏症貧血や甲状腺機能亢進症などの病気に伴って、スプーン爪が生じることがあります。病気により爪が薄く柔らかくなることが要因です。
職業性のスプーン爪
美容師など有機溶媒の薬品をよく扱う職業の人や、農業など指先に力を入れることが多い職業の人にも、スプーン爪が多くみられます。
深爪によるスプーン爪
日常生活において原因となるのは、爪の切り方です。爪の両端を短く切ると、指に加わる力を爪甲が支えきれなくなり、スプーン爪につながります。
スプーン爪(匙型爪甲)の治療
スプーン爪は、原因となる要素を排除することで正常な状態に戻ります。鉄欠乏性貧血の場合は、鉄分の多い食品を摂取したり、鉄剤を服用したりすることで、治療・予防することができます。爪の両端を短く切る傾向のある人は、深爪をしない切り方に改善します。職業性のスプーン爪の場合は、指にかかる力を分散するようにしたり、薬品などを扱う場合は手袋などで保護したり、爪のケアをすることで症状を軽減していきます。
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