機能性出血の症状

機能性出血は、月経とは別に起こる、子宮からの不正な出血です。正常な月経とは異なり、月経周期が短く出血の回数が多い、日数や出血量が多い、月経以外の時期に出血するなどの症状としてあらわれます。
  
機能性出血は、45歳以上の女性に多くみられますが、子宮や卵巣の機能が未発達な思春期にもみられ、この場合は排卵が起こらない、無排卵性機能性出血の割合が高くなっています。
  
出血の量や期間は個人差がありさまざまで、1日~数日で止まる場合もあれば、1か月以上続く場合もあります。日数が長引いたり出血の量が多いと、貧血や鉄分不足になったりすることもあります。

機能性出血の原因

機能性出血は、ホルモンのバランスが崩れることにより起こります。子宮内膜はエストロゲンとプロゲステロンという2種類の卵巣ホルモンの増減により調節されており、このホルモンが正常に働いていない場合に、不正出血が起こりやすくなります。
  
排卵後に受精がなかった場合、通常は低下するはずのエストロゲンの濃度が低下せず、高い状態が続くと、本来月経として剥がれ落ちるはずの子宮内膜が剥がれません。そして、不定期、不規則に剥がれることにより、不正出血として排出されてしまうのです。
   
エストロゲンの濃度が高い状態では、プロゲステロンの濃度とのバランスが崩れ、排卵も起きなくなります。

機能性出血の治療法

機能性出血の原因となるホルモンの乱れは、生殖機能の未成熟な時期である思春期と、閉経に差し掛かる時期の更年期といった、年齢的なものがほとんどです。そのほか、ストレスやホルモン剤などの薬物の摂取、摂食異常といったことでも起こります。排卵がある場合の機能性出血や、更年期の出血は、ホルモン剤の使用で止血します。
   
思春期に多い無排卵性の機能性出血は、ホルモン剤の使用のほか、場合によっては排卵誘発剤の使用で定期的に排卵を起こし、安定させることもあります。