機能性出血とは
機能性出血は、月経や妊娠以外で身体に異常が見当たらないのに、子宮内膜から出血している状態をいいます。思春期以降のあるゆる年代でおこり、不正性器出血の約30%を占めるといわれています。 卵巣ステロイドホルモンの減少で起こる消退出血と、減少していないのに起こる破たん出血とがあります。子宮筋腫などの疾患や炎症等の症状がある場合の出血は指しません。
機能性出血の症状
機能性出血は、月経とは別に起こる、子宮からの不正な出血です。正常な月経とは異なり、月経周期が短く出血の回数が多い、日数や出血量が多い、月経以外の時期に出血するなどの症状としてあらわれます。機能性出血は、45歳以上の女性に多くみられますが、子宮や卵巣の機能が未発達な思春期にもみられ、この場合は排卵が起こらない、無排卵性機能性出血の割合が高くなっています。
出血の量や期間は個人差がありさまざまで、1日~数日で止まる場合もあれば、1か月以上続く場合もあります。日数が長引いたり出血の量が多いと、貧血や鉄分不足になったりすることもあります。
機能性出血の原因
機能性出血は、ホルモンのバランスが崩れることにより起こります。子宮内膜はエストロゲンとプロゲステロンという2種類の卵巣ホルモンの増減により調節されており、このホルモンが正常に働いていない場合に、不正出血が起こりやすくなります。排卵後に受精がなかった場合、通常は低下するはずのエストロゲンの濃度が低下せず、高い状態が続くと、本来月経として剥がれ落ちるはずの子宮内膜が剥がれません。そして、不定期、不規則に剥がれることにより、不正出血として排出されてしまうのです。
エストロゲンの濃度が高い状態では、プロゲステロンの濃度とのバランスが崩れ、排卵も起きなくなります。
機能性出血の治療法
機能性出血の原因となるホルモンの乱れは、生殖機能の未成熟な時期である思春期と、閉経に差し掛かる時期の更年期といった、年齢的なものがほとんどです。そのほか、ストレスやホルモン剤などの薬物の摂取、摂食異常といったことでも起こります。排卵がある場合の機能性出血や、更年期の出血は、ホルモン剤の使用で止血します。思春期に多い無排卵性の機能性出血は、ホルモン剤の使用のほか、場合によっては排卵誘発剤の使用で定期的に排卵を起こし、安定させることもあります。
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