グッドパスチャー症候群とは
グッドパスチャー症候群は、肺や腎臓の自己免疫疾患で、治療をしない場合では、90%以上の確率で死亡にいたる重篤な疾患です。肺と腎臓の基底膜に反応する抗体が血中に作られることにより、肺出血と糸球体腎炎を引き起こします。
グッドパスチャー症候群の症状
グッドパスチャー症候群は、肺の症状では、咳や血の混じった痰、呼吸困難、息切れなどのほか、ひどくなると肺の大量出血による喀血が起こります。また、腎臓が糸球体腎炎を発症し障害を起こしている時の症状としては血尿、蛋白尿が確認されます。疲れや倦怠感、発熱といった症状の見られる場合もあります。多くの場合、出血による貧血があらわれます。肺からの原因不明の出血と同時に、血液検査により、腎臓の糸球体基底膜に反応する抗基底膜抗体が検出されれば、グッドパスチャー症候群であると診断がつきます。糸球体腎炎は腎不全に進行していくので、早急な治療を必要とします。
グッドパスチャー症候群の原因
グッドパスチャー症候群は、タバコの煙や、インフルエンザなどのウイルスによって、肺胞の壁に腎臓の基底膜の構造と同様のものができ、それに対する抗基底膜抗体が血液中に作られることによります。この抗体によるアレルギー反応によって、肺の毛細血管や肺胞の壁が炎症を起こし、出血します。腎臓の変化も同時期か少し遅れて発症します。肺と同じように腎臓も抗体によってアレルギー反応がおき、腎機能が低下して糸球体腎炎になります。発症例は若い男性や喫煙者に見られることが多いですが、遺伝性もあると言われています。しかし、抗基底膜抗体が作られるのかは明らかになっていません。
グッドパスチャー症候群の治療法
グッドパスチャー症候群を発症した場合、抗基底膜抗体の生産を抑制するために、副腎皮質ホルモンや免疫抑制剤を使用します。一旦血液を体外に取り出し、抗体を除去した後に再度体内に血球を戻すという血漿交換を行う場合もあります。出血による貧血や鉄分欠乏に対する処置も行われます。腎臓への損傷が進むと腎不全にいたり、腎臓透析や腎移植が必要となるため、発症後、早期に対応し、腎機能と肺機能の損傷の進行を抑えることが重要です。
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