毛巣瘻とは
毛巣瘻は「もうそうろう」と読みます。肛門の少し上のあたり、尾てい骨のあたりでお尻と腰の間になりますが、小さな穴が空いている状態です。皮膚の下に埋没している毛に細菌が繁殖し、膿がたまる病気です。
毛巣瘻の症状
毛巣瘻はおしりに発生する皮膚の嚢胞(液だまりによる腫瘤)で,毛が迷入しています。摩擦などにより脱落した毛が皮膚内に入り込んでしまい免疫系が異物と認識して排除しようとする過程でできてしまうことが考えられています。毛巣瘻の初期症状は違和感、異物感を皮膚下に感じることが多いようです。円形状のしこりを感じるようになるとうみが出てくるので自分でも感染症にかかったということがわかるようになります。
症状が進行してくると椅子に座ったりするだけでも痛みを感じるようになり、疲れがたまっている時などは仰向けになるのが無理なほど腫れがひどくなったりします。
治療方法としては抗生剤の投与がありますが、完治するほどの効力はみられませんので外科手術になる場合が多く、入院期間もうつぶせで生活しなければならないような状態になってしまいます。
腫れが生じるのは疲労の蓄積によるもので安静にしていれば自然と動けるようになり、発症してから動けなくなるほど進行が進むまでには数十年かかる場合もあり、悪化してから毛巣瘻と診断されることが多い病気です。
毛巣瘻の原因
毛巣瘻の原因ははっきりはしていませんが、男性に多いのが特徴です。多毛症で体毛が毛穴をふさぐことによって炎症を起こしたり、腫瘍になってしまったりすることが原因にあげられています。毛深くて肥満な人、座っていることが多い人や若年層に多いことでも知られています。女性にはまれにしか見られません。しかし新生児にも発見することができるため、遺伝による先天性の病気であることも知られています。
先天性については皮膚と神経管との分離がうまくいかなかったためと考えられています。
後天性については仙骨尾てい骨部を慢性的に刺激することで体毛が皮膚にもぐってしまい、感染症を引き起こしてしまったのではないかと考えられています。
毛巣瘻の治療法
毛巣瘻は原因がはっきりしていないため、予防する方法も確固たる手段はありません。しかし感染を起こさないようにしたり、悪化したりする前に治療を受けておけば深刻な状態になることは防ぐことができます。
痛みや腫れを感じたらすぐに皮膚科を受診することをおすすめします。肛門に近いことから泌尿器科を受診することもありますが、誤診を生じさせる類似の病気が多いため注意しなければなりません。
再発する可能性も高い病気ですので、炎症を繰り返すようなら外科手術も視野に入れて治療を進めるべきですし、入院は日数が必要になりますのでドクターとよく相談しておくことが必要です。
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