ウエストナイル熱/西ナイル熱とは
ウエストナイル熱/西ナイル熱とは1937年にアフリカのウガンダで確認された病気です。ウエストナイル熱を引き起こすウイルスは日本脳炎ウイルスと同じフラビウイルスの仲間で、蚊によって媒体される病気で、発熱、頭痛、筋肉痛などを起こします。日本ではまだ感染者の確認はありませんが、世界中で感染が確認され近年ではアメリカで流行した時期もある病気です。
ウエストナイル熱/西ナイル熱の症状
ウエストナイル熱の主な症状は、突然の発熱です。2日から1週間の潜伏期間のあと突然の発熱が5日ほど続きます。発熱は39度以上になることが多く、そのほとんどが悪寒を伴う発熱となります。発熱とともに、頭痛・咽頭痛・背部痛・筋肉痛・関節痛などの症状を示すこともあります。発疹・リンパ節腫脹・腹痛・嘔吐・結膜炎・髄膜などの症状を併発する人もいます。
脳炎や髄膜炎を併発した場合、頭痛、高熱、項部硬直、嘔吐、精神錯乱、筋力低下、呼吸不全などが現れ、死亡する可能性もあります。合併症の発症率は0.5%程度とされています。
発症者の死亡率は1%から5%と言われ、小児が発症した場合には重篤になることが多い病気です。
ウエストナイル熱/西ナイル熱の原因
ウエストナイル熱の原因はウエストナイルウイルスを持った蚊に刺されることです。アカイエカなどイエカ属の蚊が、このウイルスを運ぶ主要な役目を果たしていると考えられていますが、その他多くの種類の蚊がウエストナイルウイルスを持つことがわかっています。つまり回りにいるほとんどの蚊がウイルスを媒介する可能性があるということになります。
ウエストナイルウイルスを持った蚊が鳥を吸血して鳥に感染し、その鳥の中で増えたウイルスをまた別な蚊が吸血、それが人に感染します。ウエストナイル熱/西ナイル熱の原因となるウイルスへはほとんどの鳥類が感染することがわかっています。カラスや雀といった私達の身近にいる鳥類も例外ではなくウイルスに感染する可能性があります。
ウエストナイル熱/西ナイル熱の治療法
蚊によって媒介される病気なので、ウエストナイル熱の予防は何よりも蚊に刺されないこととなります。流行地域に行く際は、虫除けを使用し、屋外にいるときには長袖や長ズボンを着用するのも効果的です。
戸外で水がたまっている場所ではボウフラが繁殖し、蚊の発生要因となるため、空き缶や書き便、からの容器、古タイヤなどを片付けて蚊の発生を防ぐことも効果的です。屋内では網戸などで蚊の侵入を防ぐとともに、殺虫剤などを適度に使用することができます。
ワクチンなどの予防策がまだ開発されていないため、屋内屋外を問わず蚊に刺されないように対策することが予防策となります。
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