特発性てんかんとは
てんかんは大きく2つあり、症候性てんかんと特発性てんかんがあります。症候性てんかんは脳卒中や脳腫瘍など脳に後天的な障害を受けることにより発症します。特発性てんかんは後天的な障害はなく、通常のMRI等の検査では脳に大きな異常はあまりありません。
特発性てんかんの症状
特発性てんかんの症状は全般発作と部分発作に分類されます。全般発作ですが、意識消失と共に全身硬直後けいれんを起こす「硬直間代発作」。数秒から数十秒意識をなくしすばやく回復する「単純欠神発作」。一瞬体をビクッとさせるものから意識消失して倒れたり、一見目的にかなった行動を起こす「複雑欠神発作」。全身の筋肉の力が抜けて倒れこむ「脱力発作」などがあります。
次に部分発作ですが、意識が保たれた状態で突然けいれんを起こしたり、幻聴・幻覚を起こす「単純部分発作」。徐々に意識が遠のき突然ぼーっとしたり、口をパクパクさせたり無意味な行動を起こす「複雑部分発作」。部分発作から症状がひどくなり全身発作を起こす「二次性全般化発作」があります。
特発性てんかんの原因
特発性てんかんの原因は不明ですが、生まれつきにてんかんになりやすい傾向を持っていると考えられています。てんかんの多くは遺伝しないと考えられていますが、てんかんになりやすい傾向が遺伝する可能性も指摘されています。特発性てんかんは発症のメカニズムが解明されておりませんので、現在も原因究明が続いている状態です。はっきりとした発症の原因がわからないので、治療や予防がないのではと不安がられる方もいらっしゃるかと思いますが、現在は抗てんかん薬の服用でてんかん患者の80%は発作をコントロール出来ています。また残り20%の方で抗てんかん薬の服用で発作をコントロールできない状態のものを難治性てんかんと言います。
特発性てんかんの治療法
特発性てんかんの予防ですが、突然発症するので生活習慣などで発病を防ぐことは困難です。もし特発性てんかんが発病した場合は抗てんかん薬の服用でてんかん発作を抑えながら日常生活を送ります。服薬期間が5年以上継続しており、医師が服薬中止しても問題ないと判断した場合にはまず半年ちかくかけて薬の量を減らしていきます。服薬中止後にてんかん発作が出なければ寛解したと言えます。また若い方の場合、外科的手術でてんかんの発作原因部位の切除を行うケースもあります。この外科手術はリスク(運動・記憶・言語障害など)も伴いますので主治医とよく相談の上、治療方針の決定を行ってください。
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