下腿潰瘍とは
下腿潰瘍とは静脈の巡りが悪くなることで、慢性の皮膚炎に引き続いて起こる、うっ滞性の潰瘍を指して言われることが多いです。うっ滞性というのは静脈の循環不全で起こるという意味です。体の部位で言うと、くるぶしよりやや上の部分に発症します。広義には下腿に起きる治すことが難しい皮膚潰瘍全てを指します。
下腿潰瘍の症状
下腿潰瘍の症状は、狭義であるうっ滞性潰瘍はくるぶしの辺りなど、下腿の下から3分の1の部分に発症することが多く、むくみや色素沈着、辺縁が鋭利な潰瘍病変を形作ります。比較的浅い潰瘍で虫食いのような表面になることが多く、周囲にうっ滞性皮膚炎と色素沈着を伴いやすいという特徴があります。
しかし壊死物質が少なく痛みもあまり感じないため、そのまま放置してしまう人も多い病気です。放置した場合、潰瘍は当然治らず大型化します。そうなってから初めて医療機関を訪れるという人も少なくありません。痛みがなくてもこれらの症状を見つけた場合は下腿潰瘍の可能性がありますから、早めに医療機関を訪れるようにしましょう。
下腿潰瘍の原因
下腿潰瘍は立ち仕事などによって静脈瘤が発生することが原因で発症します。仕組みとしては、下肢静脈弁の機能が上手く働かなくなることなどにより、静脈の中の圧力が上昇することで、血しょう成分がもれ出ててしまいます。その為下腿部分がうっ滞状態になってしまい、それが続くことで潰瘍ができるのです。また、動脈血行不全や糖尿病などでも起こります。下腿潰瘍では、表面の皮膚をいくら治療、消毒しても、体内の静脈瘤や血行不全を治療しない限り下腿潰瘍は何度でも発症します。何十年もこの病気を抱えている方もいます。静脈瘤の存在も傍目には解らないので、痛みが少ないことと合わせ、安易に構えず疑うことが大切です。
下腿潰瘍の治療法
下腿潰瘍は皮膚潰瘍の一種であり、皮膚や粘膜が様々な原因で傷つけられ続け、症状が進行することによっておこる組織の欠損です。これを予防するためには、小さな傷でも作らないことがまず大切です。皮膚潰瘍は小さな傷からでも発生します。しかし、小さい傷であるが故に放置してしまい、結果として知らない間に治りにくい皮膚潰瘍になってしまうからです。また傷を負ってしまった場合でも、小さいからと放置せず早めの段階で傷を治療しましょう。また、糖尿病があれば、生活習慣や服薬により、症状の進みをコントロールすることが大切です。
もし皮膚潰瘍にまでなってしまった場合は、重点的な治療が必要になります。具体的には、血管強化薬と潰瘍の薬を塗布し、弾性ストッキングを着用することが主な治療方法です。潰瘍の程度によっては、静脈瘤の硬化療法を用いて、静脈を固める外科的治療を行う場合もあります。
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