ボツリヌス食中毒とは
ボツリヌス食中毒とは、ボツリヌス菌を原因菌とする食中毒です。食物などにボツリヌス菌が感染すると、食品内で増殖を行います。さらに、ボツリヌス菌が生み出した毒素を摂取することにより、体に食中毒による各種の病状が起こるようになります。致死率が高い食中毒であるため、注意が必要です。
ボツリヌス食中毒の症状
ボツリヌス食中毒で認められる症状には、腐敗した食品を摂取したことによる下痢や嘔吐、腹痛といった胃腸病状と、ボツリヌス菌が産生する毒素による神経症状とがあります。神経症状としては、めまいや頭痛を伴う全身の違和感、視界が霞む、ものが二重に見えるといった視覚障害、喉の渇きや声がかすれる・出にくい、食物が飲み込みにくいといった咽喉部の麻痺症状が現れます。重度な症状としてはお腹が膨らむ、便秘、尿が出にくい、四肢の麻痺などがあり、呼吸困難に陥って死に至ることもあります。
ボツリヌス食中毒の原因
ボツリヌス食中毒は、ボツリヌス菌への感染や、ボツリヌス菌が産生する毒素を体内に摂取することにより生じます。ボツリヌス菌が産生した毒素を食品とともに摂取すると小腸で吸収され、リンパ管や血管を経て、神経に対して麻痺症状を引き起こします。ボツリヌス菌には潜伏期間があるため、ボツリヌス菌に感染した後、ボツリヌス食中毒の病状が実際に起こるまでには、数時間から一日以上がかかります。
ボツリヌス菌が生み出す毒素は、A型からG型までの分類がなされており、各毒素は強力であり、致死量が高いことが特徴としてあります。そのため、ボツリヌス食中毒には迅速な治療の対策が求められます。
ボツリヌス食中毒の治療法
ボツリヌス食中毒に対する治療法は各毒素に対する抗毒素を投与し毒素を中和すること、先述した症状に対する対症療法が一般的です。予防として、ボツリヌス菌に感染した食物を避けるといったことが大切です。
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