未熟児貧血(未熟児早期貧血・未熟児後期貧血)とは
未熟児貧血(未熟児早期貧血・未熟児後期貧血)は主に未熟児に見られる貧血で、母体から産まれた時の赤血球の変化がうまくコントロールできない乳幼児に見られます。 疾患名は発症した時期で分けられ、出生後6~12週に見られるものを「未熟児早期貧血」生後4~5ヶ月経過してから起きるものを「未熟児後期貧血」と呼びます。
未熟児貧血(未熟児早期貧血・未熟児後期貧血)の症状
未熟児貧血の症状は、体内の酸素が不十分になってしまうため、顔色、身体の色が青白く見えたり、元気がなくなったりすることがあります。哺乳時の易疲労や、体重増加も不良になることがあります。貧血が進むと、全身へ十分な酸素を運ぶ
ことが難しくなるので、心拍数が上昇して頻脈になったり、酸素投与が必要になることもあります。
未熟児貧血(未熟児早期貧血・未熟児後期貧血)の原因
通常赤ちゃんは胎内にいるあいだは胎盤を通じて酸素供給されていますが、これが外に出ることで肺呼吸による自立呼吸が必要とされます。赤血球の生産にはエリスロポエチンというホルモンが必要とされますが、呼吸を始めると、酸素の供給が十分になるため、減少し、産まれてから4週程度まで赤血球生産量が激減するため貧血状態となります。大抵はエリスロポエチンの供給が再開され自然に回復します。ところが時間が過ぎても改善が見られない場合、体重増加の割合より酸素供給が通常値より減少するので赤血球生産が追いつかず貧血がひどくなります。
未熟児は、生まれた時の体重が少なく、もともとの赤血球の量も少なく、生後の体重増加の割合は大きいため、貧血が起こりやすくなります。
稀に葉酸やビタミンE欠乏の特別な貧血もあります。
未熟児貧血(未熟児早期貧血・未熟児後期貧血)の治療法
未熟児貧血では、程度やリスクによって、予防、治療として鉄剤を投与したり、エリスロポエチを使ったり、ひどいと輸血などが行われます。専門のドクターの指示のもとで診察・治療を受ければ、未熟児貧血が発症する危険度も減ります。
また、出生後、赤血球が作られる環境を十分確保するため、母乳栄養やミルクなどを十分量とるようにすることが大切です。
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