特発性浮腫の症状

特発性浮腫の症状は起立した状態で浮腫を呈する場合が多く、一般的に下肢や手などの体の末端部のほか、顔面や腹部にも浮腫が認められることがあります。浮腫は長期間にわたって慢性的に現れるようになります。
日常生活を送る中では夕方に浮腫を呈することが多くみられ、朝方と夕方での体重差が1キログラム以上となります。朝方には比較的よくなるものの、夕方には朝方と比べて浮腫がひどくなる傾向が認められます。浮腫が現れるほかには、疲労を感じたり、不安感に苛まれる、うつ状態を呈するなどの精神的な症状をきたすこともあります。浮腫自体は放置しておいても重大な異常へと進行することは少ないものとされているものの、ストレスなど精神症状に対しては十分なケアが必要となります。

特発性浮腫の原因

特発性浮腫を発症する原因はいまだ解明されていません。しかしながら患者のほとんどが女性であることや、生理前に増悪する傾向があることなどから、ホルモンのアンバランスが何らかの影響を与えているものと考えられています。またストレスがかかることが多い職業に従事している方が多いことから、自律神経の何らかの異常も関与しているものと考えられています。
浮腫自体は体内に張り巡らされている毛細血管が水分やたんぱく質を透過しやすくなることが原因と考えられています。したがって浮腫を呈する本疾患もホルモンバランスや自律神経などの異常によって、毛細血管を透過する水分等が過多となることや、女性ならではの食事制限によるダイエットなどが原因と考えられています。

特発性浮腫の治療法

特発性浮腫の発症を予防する方策としては、ストレスによって増悪する傾向にあるという特徴からストレスコントロールに注意を払うことが挙げられます。また浮腫に対する一般的な予防方法である塩分摂取量の制限や体内の水分代謝を助けるビタミン類の摂取などを行います。水分の摂取に関しては過剰とならないように注意することも必要です。
浮腫は体内に水分が溜まった状態であることから、水分の体外への排泄を促進させるため、運動を生活に取り入れて代謝を活発にさせることや立っている時間を短くして排泄を低下させないようにすることなども重要です。
症状を緩和するため利尿剤を用いるケースがありますが、腎臓への負担が増すことがあるため医師によって指示された処方を守ることが求められます。