症状

皮膚アミロイドーシスの症状は、いくつかのグループに分類することが可能です。

まず、最も代表的で症例も多いケースとしてアミロイド苔癬が挙げられます。真皮の乳頭部にアミロイドが沈着し、固い、かつ表面が滑らかな角化性丘疹が現れる点に特徴があります。アミロイド苔癬の場合は淡褐色でかゆみが強く、症状が比較的長く持続します。

次に多いものが斑状アミロイド―シスです。2~3mmの斑点が上背部・臀部・胸部に線上に羅列することが特徴的です。色は褐色で、こちらも比較的長く持続します。

その他にも、高齢の人に多くみられる肛門仙骨部皮膚アミロイドーシスや、ナイロンタオルやブラシの長期利用によって引き起こされる摩擦黒皮症などが挙げられます。

原因

皮膚アミロイドーシスの原因は、表皮細胞の形成の一部分を担う「ケラチン」という物質であると言われています。ケラチンによって糖タンパクであるアミロイドが生成され、それが真皮の浅い部分に沈着することによって様々な症状を引き起こします。
また、腫瘍の存在や、慢性の炎症の悪化が原因であるとする説もあります。具体的には、骨髄腫やマクログロブリン血症、慢性関節リウマチや気管支拡張症・結核などの慢性の炎症性疾患、遺伝による自律神経系障害、糖尿病などの疾患が原因として推定されています。
また皮膚アミロイドーシスにおいて、アミロイドの沈着は真皮の浅い所のみに限定され、他の臓器への沈着が見られないということに注目し、そこからなんらかの要因が推定できないかという研究が一部で行われています。

治療法

皮膚アミロイドーシスは原因が明確に特定されておらず、症状の現れ方も様々です。そのため直接的な予防法に関しては未だに研究が続けられている最中です。症状の悪化を防ぐ方法としては、少しでも皮膚の変色や機能障害といった異常を感じた場合に、すぐに皮膚科を受診することが大切になります。
また、アミロイド苔癬の症状が見られる場合にはかゆみが強く表れることが多いため、かゆみの悪化を防ぐために強いステロイド外薬が用いられることがあります。ステロイド外薬によって効果が見込めない場合はステロイドOTCや患部の切除、掻爬、凍結による治療などが行われることもあります。