頬粘膜がんの症状

頬粘膜がんの主な自覚症状は、粘膜の下にしこりやふくらみを感じるなどが挙げられます。痛みは少なく、がんの病変部の表面は潰瘍や突起を形成することがあるため、肉眼で観察できます。白い部分や赤い部分がある場合も、注意が必要です。

がんが進行してくると、言葉をうまく発声できなくなる発音障害や、ものを噛んだり飲みこんだりしづらくなる咀嚼障害、嚥下障害、口を開けるのが困難になる開口障害などを起こすようになります。

また、リンパ節への転移も多く見られ、顎の下や上内頸静脈のリンパ節の肥大が起こります。頬粘膜がんの場合、他の臓器へ転移する確率はそれほど高くありません。

頬粘膜がんの原因

頬粘膜がんのはっきりした原因は不明です。口腔がんに共通する原因としては、喫煙、飲酒などの日常の生活習慣が挙げられます。特にタバコは、噛みタバコの習慣がある東南アジアで発症率が高いことからも最大の原因と考えられています。また、口腔内の衛生状態が悪い、口の中に慢性的に傷がある、食べ物の好みに偏食があり栄養バランスが崩れていることなどもリスク因子とされています。また、EBウイルスというウイルスとの関連も知られています。

頬粘膜がんの治療

頬粘膜がんの治療は、手術や化学療法、放射線療法を組み合わせて行います。頬粘膜がんは、見た目に影響が出る可能性があるため、早期に治療をすることが重要です。

頬粘膜がんの予防

頬粘膜がんに限らず、口腔がんの原因としては口の中の慢性的刺激が多いと言われています。生活習慣を見直すことで、予防的効果が期待できます。

現在喫煙している人は、禁煙することで多くのがんの予防に効果があります。タバコを吸ううえに、飲酒もする場合は、がんの発症リスクが高いため、喫煙習慣を見直す必要があります。

食生活では、熱い食べ物や辛い刺激の強い食べ物は、口内の粘膜細胞を傷つけやすく、がんの発生リスクを高めます。歯並びが悪かったり、入れ歯や詰め物の具合が悪かったり、歯にいつも舌があたっていたり、頬の内側を頻繁に噛んだりして、口腔内が慢性的に物理的刺激を受けている場合は、早めに歯科で矯正・治療をしてもらうことが大切です。