症状

扁桃悪性リンパ腫の症状は、強い痛みを感じることが少ないので、初期症状としてはのどの異物感や咽頭痛、口蓋扁桃の腫脹です。腫脹とは炎症などが原因で、体の組織がはれ上がることをいいます。
扁桃悪性リンパ腫の中では、口蓋扁桃が一番多くて二番目に多いのが咽頭扁桃、三番目に多いのが舌根扁桃になっています。
腫瘍が体の周囲に広がってしまった場合は、嚥下痛や耳への放散痛が起こります。頸部のリンパ節に腫瘍ができると、多くの場合は痛みがないままはれ上がりますが、咽頭扁桃に発生すると耳官が閉塞する為に軟調になってしまったり鼻閉とよばれている鼻づまりが起きたりします。
その他の症状としては、発熱や体重減少、ひどい寝汗が発生したりします。

原因

扁桃悪性リンパ腫の原因はまだわかっていませんが、一部のものはウイルスが関係していると考えられています。HTLV-1型が原因でリンパ球に異常を起こすものは成人T細胞白血病のリンパ腫型として扱われており、最近の日本では頻度が高くなっています。
扁桃悪性リンパ腫の診断方法は、腫瘍を組織から少量とって顕微鏡で調べ悪性かどうか診断します。1回の生検だけではなく、経過を見ながら何度か生検を行うことにより診断がつく場合もあります。
また全身への移転の有無を調べるためにさまざまな検査を行います。腹部にはCTやMRI、ガリウムシンチフラフィや腹部超音波検査を行います。他にも消化管内視鏡検査や骨髄穿刺などの検査が必要になってきます。

治療法

扁桃悪性リンパ腫は、生活習慣による影響が大きいのでまずは生活習慣を見直すことが予防につながります。扁桃悪性リンパ腫の予防する場合は、まずアルコールの強いお酒を飲み過ぎないことです。他にも有害物質が直接喉にはいってしまうタバコを吸い過ぎないことが重要になっています。

また最近では、子宮癌の原因となっているヒトパピローマウイスルが扁桃悪性リンパ腫の原因の一つとなっていると考えられているのでこれらを避けることが重要です。このように予防していても悪性リンパ腫にかかってしまった場合は、放射線療法と化学療法と組み合わせて治療を行わなければなりません。