前立腺肉腫の症状

前立腺肉腫は腫瘍ができる病気で、その症状は腫瘍が腸や尿道を圧迫することです。圧迫された腸や尿道は正常な機能をしにくくなり、排便をする機能や尿をする機能が低下することがあります。
前立腺肉腫が前立腺がんと異なる点は、その発達する速度です。前立腺がんは細胞ががん細胞に変異することによって発達し、そのため時間がかかることが多く発見にも時間がかかります。反対に、前立腺肉腫は発達速度が異常に早い傾向があり、尿道を圧迫しすぎることもあって尿そのものが出ないときもあります。
この病気は前立腺がんほど発症する確立が高いわけではなく、前立腺がんの十分の一程度の割合でしか発症しません。がんと勘違いをして診察に来た患者が肉腫を発見するケースもよくあります。

前立腺肉腫の原因

前立腺肉腫は、前立腺に存在する筋肉の細胞から発生する特殊な肉腫です。がん細胞は前立腺の腺組織から発症するため、がん細胞の発見に利用される前立腺特異抗原が上昇しますが、前立腺肉腫ではそのようなことにはなりません。この理由で、腫瘍マーカーが使えません。
この病気の根本は前立腺に関する疾患であり、この疾患は比較的若い時代に出ることが多い病気です。高齢になると肉腫ができるよりもがん細胞となることが多いですが、年齢層が低いとがん細胞に変化せずに成長速度が早い肉腫に発達します。
前立腺に存在する間質細胞から変化する腫瘍マーカーの通用しない特殊な病気であるため、前立腺がんとの明確な原因を分けて治療するためには実際に病気になった身体を調べるしかありません。

前立腺肉腫の治療法

前立腺肉腫は細胞の変化の形態は異なりますが、がん細胞から発生したものと同列に考えられるためその予防策も前立腺がんと同じような対策になります。つまり、最も効果的な予防策は何度もがん検診を受けて早期発見を促すことです。
まずは何度もがん検診をきちんと受け、がん細胞に発展する腫瘍がないことを確認する必要があります。
検診の結果、前立腺肉腫が発見されたときは転移が発生していないかを確認することになります。転移が確認されていなければ早期発見ということで、患部の手術が行われ、必要ならばその部分の組織を全て取り出すことになります。
それに伴い、人工肛門の造設や尿路の変更が行われるでしょう。
放射線療法や、化学療法(抗がん剤)を併用します。