脊椎骨端異形成症とは
脊椎骨端異形成症とは主に脊髄や管状骨骨端に異形成が現れる骨系統疾患の総称で、発症頻度は10万人に1人と考えられている極めて稀な疾患です。 出生時より発病が確認できる先天性の脊椎骨端異形成症と、小児期から思春期にかけて発病する遅発性の脊椎骨端異形成症からなる2形態が存在します。
脊椎骨端異形成症の症状
脊椎骨端異形成症は短体幹型低身長をきたす骨系統疾患の代表的な疾患です。1度発病してしまうと身長の成長が阻害されてしまいます。最終身長は成人になっても100から130センチ程度で、稀に100センチ以下で成長が止まってしまう例も存在します。身長の成長が阻害されてしまった結果、樽状胸郭や胸椎前湾・後湾の増強、側湾、内・外反膝、関節可動域制限などの症状が現れます。また、近視や網膜剥離、難聴を合併する可能性があります。
しかし、発病者の知能や顔貌に支障が生じたということはなく、生死に関わることは少ないとされています。
脊椎骨端異形成症の原因
脊椎骨端異形成症の発病にいたる主な原因は、2型コラーゲン遺伝子の変異とされています。コラーゲンとは真皮、靭帯、腱、骨、軟骨などを構成する蛋白質一つで、多細胞動物の細胞外基質の主成分です。人の体内に存在するコラーゲンの総量は全体の30%を占め、更に構成に関わるコラーゲン蛋白質は30種類以上存在します。
中でも、線維状の2型コラーゲンは関節軟骨の主成分にして、眼球の硝子体液の成分にもなっています。そのため、2型コラーゲン遺伝子の突然変異がおこるとグリシン残基がほかのアミノ酸に置換されるミスセンス変異が発生し、脊椎骨端異形成症の発病にいたると考えられています。
脊椎骨端異形成症の治療法
脊椎骨端異形成症は2型コラーゲン遺伝子の突然変異が原因となって発病する疾患のため、予防法は存在しないとされています。そのため、合併症状である網膜剥離の眼科的な治療をほどこすなどして症状を緩和させ、対応していきます。脊椎骨端異形成症の基本的な症状である短体幹型低身長の根本的な治療法は現在でも確立されていないため、脊髄障害や下肢変形、変形性関節症などに対する整形外科的な治療がほどこされることになります。低身長にたいしての脚延長術などが行われることもあります。
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