分娩停止の症状

分娩停止は、陣痛が始まり、最初は分娩が順調に進んでいたにもかかわらず、陣痛は続いているまま、途中から分娩の進行が見られなくなり、その状態が2時間以上続く状態をいいます。そのままにしておくと、陣痛が弱くなったり、母子の体に影響を及ぼすこともあります。

分娩停止の原因

分娩停止の原因は、CPDと略されることもある児頭骨盤不均衡、胎児の位置や回旋の異常、母体の疲労による微弱陣痛等があります。
CPDは、胎児の頭の大きさが、母親の骨盤と同じであったり、骨盤よりも大きい為に、胎児が母親の骨盤を通ることができない状態を指します。
分娩の際、胎児が徐々に体の向きを変え、母親の骨盤内に入ってくることを回旋といいますが、前方前頭位、反屈位、低在横低位等により、分娩が進まない状態を回旋異常と呼びます。

分娩停止の治療法

分娩停止を防ぐために、妊婦が小柄である場合、あらかじめ児頭骨盤不均衡がないか検査を行って対策を行ったりすることが行われます。
分娩停止が起こった時には、超音波検査、内診等を行い、原因を探し、それに応じて対処していきます。原因が微弱陣痛の場合は、子宮を収縮させる作用のある促進剤を使用することもあります。また、感染の予防が行われたり、母体を疲労させないようにする、水分をしっかり摂ってもらったり補液などで脱水症状に対する予防等の処置がされます。
胎児の生命が危ぶまれる時には、早く胎児を娩出させる必要性が出てきます。そのため、状況や原因に応じて、鉗子分娩、吸引分娩、帝王切開術での分娩になることもあります。
鉗子分娩とは、右と左で1対となっている鉗子と言われる器具を膣の中に入れ、胎児の頭を鉗子を使って両側から挟んで引き出す分娩方法です。吸引分娩とは、シリコン製または金属製の吸引カップを胎児の頭に装着し、カップを胎児の頭に密着させる為に、カップの中の空気を抜き、いきみと共に、吸引力で胎児を引っ張り出す分娩方法です。