皮脂減少性皮膚炎/乾皮症の症状

皮脂減少性皮膚炎により生じる症状としては、体幹や手足の肌が乾燥することが特徴としてあります。肌が乾燥することにより、表面が粉を吹いたようになります。さらには、肌表面に丘疹や皮膚炎が起きるようになります。
こうした皮脂減少性皮膚炎による病状は、主に夕方から夜にかけて起こりやすいという特徴があります。また、日常生活の中で、血行がよくなった場合に特に、かゆみや皮膚炎といった病状が起こりやすくなります。そのため、入浴後や布団に入っての就寝中に、特に肌の乾燥による皮膚炎の病状を強く感じることも多いです。肌にかゆみを感じると、かゆみを治めるために皮膚をかきむしり、さらに皮膚炎が悪化するといった悪循環が生じます。

皮脂減少性皮膚炎/乾皮症の原因

皮脂減少性皮膚炎が起きる原因には、皮脂の減少があります。肌の表面に相当する組織である角質には、皮脂やセラミドといった成分があり、肌から水分が蒸発することを防いでいます。しかし、加齢などの原因に伴って肌の油の成分が減少することにより、肌を保護する機能が低下します。その結果、肌から急激に水分が失われることになり、かゆみや皮膚炎が起きます。
またさらに、肌が水分を失って乾燥することで、肌には細かいひび割れが生じます。肌のひび割れからかゆみを引き起こす成分がしみこむ事から、皮膚炎やかゆみをもたらします。加えて、肌の乾燥によりかゆみを感じる神経が肌表面に伸びてくることから、強くかゆみを感じるようにもなります。

皮脂減少性皮膚炎/乾皮症の治療法

皮脂減少性皮膚炎に対する予防方法としては、肌に乾燥をできるだけ防ぐことが重要です。肌の減少した油脂の機能を補うため、保湿クリームなどを肌に施します。また、かゆみや皮膚炎の病状を抑えるために、弱いステロイド剤の塗り薬を用いることも有効です。かゆみを強く感じる場合には、抗ヒスタミン薬を服用することにより抑えることが可能です。
さらに、肌の乾燥をできるだけ防ぐために、滞在している部屋の乾燥を避ける対策を取ることが必要です。加えて、入浴時に肌をできるだけ傷つけないようにナイロンタオルの使用を控える、極力優しく洗うなど心がけることが、肌を守ることにつながります。