先天性魚鱗癬様紅皮症とは
先天性魚鱗癬様紅皮症とは全身の皮膚にさまざまな厚さのうろこ状や鮫肌状の皮膚を生じる難病です。10歳ごろまで進行し、その後は進行が停止するか軽快することが多いです。
先天性魚鱗癬様紅皮症の症状
先天性魚鱗癬様紅皮症は出生時より症状があらわれることが多く、全身の皮膚が赤くなり、魚のうろこ状や さめ肌状(鱗屑)になります。病型によって熱傷のような表皮剥離と水泡形成があらわれたり、水疱はできなかったりします。
年齢が上がるにつれて熱傷のような表皮剥離から皮膚病変の角質が増殖し全身のびまん性潮紅や皮膚表面からはがれおちる角質の鱗屑、水泡やびまんなどの特徴のある症状が起こります。
さらに年齢を重ねると全身がほぼ角質肥厚になってしまいます。
道化師様魚鱗癬では、固くて暑いよろい状角化になってしまい、まぶたなどの変形や、臓器に障害を起こすこともあり、感染などによって死亡してしまうケースもあります。
先天性魚鱗癬様紅皮症では、関節の折れ曲がる方向の屈側に著しくイボのようなものやさざなみ状の高度な角質増殖がみられます。
先天性魚鱗癬様紅皮症の原因
先天性魚鱗癬様紅皮症の原因は、約20万人に1人の割合で起こる常染色体優性の遺伝性疾患です。ケラチン1やケラチン10などの遺伝子の変異によって起こります。ケラチン1やケラチン10は表皮角化細胞の細胞骨格や角化細胞の細胞膜とその内側と裏打ち構造に関与しているタンパク質のことをいいます。
他にもトランスグルタミナーゼ1やALOXE3、ALOX12BやABCA12などの遺伝子も原因として考えられています。
先天性魚鱗癬様紅皮症に気づいたら皮膚科専門医に受診して適切な治療を受けることが重要です。先天性魚鱗癬様紅皮症は終生症状は続きますし、重症化すると死亡するケースがあるのできちんと受診することが大切になっています。
先天性魚鱗癬様紅皮症の治療法
先天性魚鱗癬様紅皮症は遺伝性の病気なので今のところ予防法はありません。しかし、はやい段階での診断を受け、特に新生児の場合は体温調整や水分電解質バランス、二次感染に注意をしなければなりません。
治療法としては、特効薬はなく、症状に対して5%サルチル酸ワセリンを塗ったりビタミンD軟膏を患部に塗ったりして鱗屑の除去に努めます。また、ビタミンA誘導体であるレチノイドを内服したり保湿剤を塗ったりします。
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