過熟児の症状

妊娠37〜42週で生まれるのを正期産といいますが、これを超えて生まれた赤ちゃんを過期産児といい、過熟児と呼ぶこともあります。症状としては、皮膚が乾燥していたりひび割れ、しわが多い等の特徴があります。さらに全体的に痩せている傾向にありそれは胎内で過期産による胎盤機能の低下などにより、栄養が足りなかったことを示しています。また、酸素が足りなくなり、胎児仮死を起こすこともあります。
他にも胎児の胎便によって羊水が混濁してしまったり、胎便によって胎盤や臍帯が緑色に変色してしまったりしてしまいます。さらに臍帯や皮膚、爪に黄染などがあらわれたりします。これらの所見は過熟徴候と呼ばれています。
妊娠の経過や出産した後の新生児の臨床状況によって診断されます。

過熟児の原因

過熟児となる原因は、過期産であり、それによる胎盤の機能低下が問題となります。
妊娠高血圧症候群や糖尿病、腎炎などの各種合併妊娠で起こりやすいとされます。
妊娠高血圧症候群は、妊娠20週以降から分娩12周までに高血圧がみられるか、蛋白尿が出ているかいずれかの場合によって診断されます。
妊娠時の糖尿病は妊娠中に血糖値が上がったり血糖値が高い状態が初めて発見された場合に診断されます。妊娠糖尿病の原因は、妊娠中に胎盤内で血糖値を上げやすいホルモンが産出される為、妊娠中期以降にインが効きにくい状態になってしまう為血糖値が上がってしまいます。
過期産は、妊娠が42週0日を超えたお産のことで、日本では42週を超えないように誘発分娩などが行われています。

過熟児の治療法

過熟児の予防としては、妊娠中に妊娠高血圧症候群や糖尿病、腎炎などの各種合併妊娠にならないように気をつけることが必要です。

妊娠高血圧症候群は早期に発見し適切な処置を行う必要があります。まずは体を休めて安静にし、食事療法や薬物療法で母体の循環と子宮胎盤の循環を改善します。具体的な食事療法としては、塩分を制限したりカロリー制限がすすめられます。また動物性脂肪と糖質を制限して高ビタミン食を摂ることがすすめられます。薬物療法としては、ヒドララジンやメチルドパなどの降圧剤が使用されます。しかしこれらの薬物が必ずしも病態の改善につながるとは限りません。
治療は、臨床症状が認められる場合には、新生児を保育器内に収容して輸液や酸素投与等の治療が必要で、低血糖や脱水、呼吸障害などの有無に応じて処置がされます。