膝関節捻挫(しつかんせつねんざ)とは
関節に力が加わって、通常の範囲を越えて骨同士が動いた場合に起こる外傷のうち、骨折や脱臼等のようなX線でケガの診断ができるもの以外の関節ケガは捻挫とされます。したがって、膝関節捻挫とは膝関節の靭帯損傷とほぼ同じことになります。軽度のものであれば安静にしていれば自然に治癒しますが、完全断裂など重度の場合は手術が必要となります。
膝関節捻挫の症状
膝関節捻挫では、関節の腫れ、痛みが見られます。スポーツなどでよく起こる内側側副靱帯損傷という膝関節捻挫では、膝の内側に腫れ、皮下出血が見られ、内側側副靱帯を押さえると痛みを感じます。膝の曲げ伸ばしや歩行とともに痛みが生じます。
もし腫れが膝の内側だけでなく関節全体に及び、痛みで膝の屈伸ができなくなるようであれば前十字靱帯や半月板を損傷している可能性があります。前十字靭帯損傷は、ダンス、テニス、バレーボール、バスケットボール、サッカーなどのスポーツでよく起こる膝関節の損傷で、治療が難しいケガです。
針を刺して関節の血液を採取したときに、ぎらぎら光るなど脂肪滴が確認できるようであれば骨折の疑いもあります。
膝関節捻挫の原因
膝関節捻挫は、外からの力により膝関節の可動域を超えて重度の伸展が起きた場合や、強い回旋力あるいは膝関節を外側または内側に反らせる力が作用することで靱帯が損傷し、発症します。外反捻挫は、外からの力により膝が内側に曲げられ、膝の外側が強く反った状態で起こる捻挫です。内反捻挫はこの逆に、外からの力により膝が外側に曲げられ、膝の内側が強く反った状態で起こる捻挫です。過伸展捻挫は膝を伸ばしたまま転倒したり、膝の前よりの衝撃や接触で、膝が過度に進展されることにより起こります。
激しいスポーツや階段の上り下りなど膝に負担のかかる運動が原因となる場合が多いのですが、しゃがんだ姿勢や正座を長時間とり続けるなど、膝に負荷をかけて曲げ続けることで、膝の筋肉が炎症を起こし捻挫の症状を起こすこともあります。
膝関節捻挫の治療法
外部からの衝撃による膝関節捻挫は、サポーター等を使用していても予防するのは困難です。非接触性の捻挫は(特にスポーツ選手などの場合は)体の使い方やケガをしにくい着地動作をトレーニングで身につけることにより、ある程度予防が可能です。
定期的にスポーツをする人で、習慣的に膝関節捻挫を繰り返すようであれば、予防のためにトレーニングや練習後のアイシングやストレッチをしっかり行います。必要であれば練習時にテーピングやブレースを用いるとよいでしょう。
足関節は、体の体重を支えるために多大な負担がかかる箇所ですので、ケガの際には後遺症がでないように、受診し、適切な処置を行うことが大切です。
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