有機酸代謝異常症の症状

有機酸代謝異常症による症状としては、幼児の哺乳の不良や嘔吐、さらには反応の不活性化があります。また病状が悪化すると、意識が喪失して昏睡状態に陥る可能性があります。また、身体的症状としては、痙攣などが起こります。場合によっては、死に至るケースもあるため、早期の対処を必要とします。
また、有機酸代謝異常症を発病する幼児は、発達が遅れがちである傾向にあり、この病気であることが気づかれるきっかけになります。その他、発熱や下痢、さらに血液が酸性化するケトアシドーシスといった病状を起こすこともあります。病状の出始めでは、急性的で重大な病状を示すことが多いため、急性期の症状の急変に対して改善を図る必要があります。

有機酸代謝異常症の原因

有機酸代謝異常症が起こる原因としては、酵素の欠損によるアミノ酸の代謝不全が挙げられます。食物から吸収したタンパク質は、やがてアミノ酸に分解されます。さらにアミノ酸を代謝する場合において、必要な酵素が欠けているために問題が生じます。アミノ酸が正常に代謝することができないため、体内に有機酸が蓄積されていきます。こうして過剰に蓄積された有機酸が、結果として身体に対して異常を引き起こします。
有機酸代謝異常症は、アミノ酸の代謝を促すどの酵素が欠損しているかによって、さらにいくつかの種類に分類されています。メチルマロン酸血症やプロピオン酸血症、さらには複合カルボキシラーゼ欠損症など、有機酸代謝の異常を原因とするものがあります。

有機酸代謝異常症の治療法

有機酸代謝異常症を予防するためには、アミノ酸の摂取をできるだけ制限する食事を取ることが有効です。食事を通してアミノ酸を余分に摂取すると、それだけ代謝異常による有機酸が多く生成され、体内に蓄積されるようになります。そのため、食事療法としては、低たんぱくな食事を心がけることが必要です。
もし急性期に陥った場合には、病状が重く生命に関わることもあるため、病状がこれ以上重くならないための予防策が必要です。糖質の輸液やアルカリ療法などを行うことが有効です。また、ビタミンの投与が病状を改善させるのも、効果があります。