先天性膝関節脱臼の症状

先天性膝関節脱臼は膝の力が弱く、骨や靭帯、関節の状態が正しい位置ではないことなどから膝が反り返った状態で、屈曲させようとしてもできなかったり、きちんと立てないといった症状になります。先天性と後天性とがあり、ひざの皿骨が大腿骨の前方からずれている状態になっています。脚を曲げ伸ばしする場合に筋肉や骨があるべき位置にないために、ずれを生じて脱臼することになります。
子宮内でひざを伸ばした状態でいたことや逆子である時に多くみられるといわれており、冬生まれのあかちゃんに多いことでもしられています。一般的には赤ちゃんが子宮内で成長するときにひざが逆に曲がって脱臼した状態で生まれてくることを先天性膝関節脱臼と呼んでいます。多発性関節拘縮症、ラルセン症候群に伴って発症する場合があることも知られています。
股関節脱臼を伴うことが多いです。

先天性膝関節脱臼の原因

先天性膝関節脱臼の原因として主に4つ理由を挙げることができます。まずは赤ちゃんが子宮内でひざを伸ばした状態で成長したため、逆子で生まれた場合に先天性膝関節脱臼を生じる可能性が高いことです。2番目の理由としては、出生後におむつで足を固定させておくことによって、赤ちゃんが股関節やひざをうごかしたいのに動けなくなり、脱臼を引き起こしてしまうことです。3番目の理由としては遺伝的要素があげられます。4番目としては赤ちゃんの向き癖と反対側の足に脱臼が起こることが多いことから、体を動かそうとしたときに膝が動きについていけずに逆向きになることで脱臼が起きると考えられています。
先天性膝関節脱臼と呼ばれていますが、原因は後天性でもありえますし、ホルモンの研究も進んでいます。

先天性膝関節脱臼の治療法

先天性膝関節脱臼の予防としては妊娠している女性で家族に既往症がある場合には膝関節検査を受けることがあげられます。また逆子や骨盤位にかかわってくる問題であることから、出産前に赤ちゃんの位置を把握しておくことが大切です。
発症率0.08パーセントとまれな疾患ですが、軽度の場合には足を少しづつリハビリしたり動かしたりすることで治療することが可能です。しかし合併症があったり、重度の場合には時間の経過とともに治りにくくなっていくため、生後3カ月以内に膝関節の精密検査を行い専門医に診断してもらうことが必要です。
抱き方やおむつの当て方などにも注意が必要です。