ニコチン酸欠乏症/ナイアシン欠乏症/ペラグラとは
ニコチン酸は多くの酵素の働きを助ける働きがあり、体内の酸化還元反応に重要な役割を担った水溶性ビタミンです。ニコチン酸欠乏症/ナイアシン欠乏症/ペラグラとはニコチン酸、つまりナイアシンの欠乏により手足や顔、首などに皮膚炎などの症状が見られる病気です。ほかにも下痢や頭痛、めまい神経障害などを引き起こすこともあります。
ニコチン酸欠乏症/ナイアシン欠乏症/ペラグラの症状
ニコチン酸欠乏症/ナイアシン欠乏症/ペラグラの主な症状は皮膚炎と下痢、認知症となります。ニコチン酸つまりナイアシンが欠乏した状態で日光を浴びると、光線過敏症として皮膚に湿疹や水疱、かさぶたなどのの皮膚炎、褐色上の色素沈着が起こります。この皮膚炎や色素沈着は左右対称で現れることが特徴です。
さらに欠乏症が進行すると、吐き気や便秘、下痢などの消化器官に症状が現れるようになります。特に下痢は激しく、下痢止めなどは効果が無いことがほとんどです。
さらに進行すると、不眠などの他に精神症状として認知症や不安症、抑うつ状態、幻覚などが現れることになります。この状態をペルグラ脳症と呼び、最悪の場合死に至ることもあります。
ニコチン酸欠乏症/ナイアシン欠乏症/ペラグラの原因
ニコチン酸欠乏症/ナイアシン欠乏症/ペラグラの原因は、病名の通りニコチン酸つまりナイアシンの欠乏です。とうもろこしを主食とする地域での発症例が多く報告されており、主食がとうもろこしに偏りすぎる季節などに特に多く発症するようです。他にもアルコール依存症があると栄養が偏りやすくなるために、ニコチン酸欠乏症/ナイアシン欠乏症/ペラグラを発症しやすいと報告されています。アルコール依存症の人は、鉄分やビタミンB2とB6が欠乏しやすいのが理由です。またアルコールの代謝にもニコチン酸つまりナイアシンは消費されますから、大量の飲酒によって不足することが発症の原因となることもあります。
さらに必須アミノ酸のトリプトファンからニコチン酸つまりナイアシンを体内合成することもできるので、トリプトファンの不足によっても引き起こされることがあります。
ニコチン酸欠乏症/ナイアシン欠乏症/ペラグラの治療法
ニコチン酸欠乏症/ナイアシン欠乏症/ペラグラの予防にはニコチン酸を含むビタミンB群を十分に摂取することです。日本人の一般的な食生活においては、ニコチン酸つまりナイアシンが不足することは少ないと言われています。ニコチン酸つまりナイアシンが多く含まれているのはマグロやカツオ、たらこなどの魚介類に多く含まれています。また小麦全粒粉、小麦胚芽、卵、ローストしたピーナッツ、なつめ、アボガド、いちじく、プルーンなどにも豊富に含まれています。よくお酒を飲む人は、普段からこのような食品を多めに取るように注意することができます。
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