膵臓損傷の症状

膵臓損傷は腹痛が主な症状です。最初はおへその上あたりが軽く痛むだけですが、時間がたつと嘔吐や吐き気、背中のほうまで痛み出すことになります。胸骨のあたりが激しく痛んだり、あおむけになっていると辛かったり、うつぶせになったり、静かにかがみこんだりすることで症状が和らぐこともあります。

膵液が徐々に漏れ出していくため、初期症状が全くなかったり早期発見が難しい病気として知られています。腫瘍になって他の臓器に影響を及ぼす場合には腹部だけでなく乳房や背中、全身を激しい痛みが襲うようになります。肩や背中の筋肉が固くコリとなって感じるようになります。消化器系疾患のため、食物を摂取して数時間後に痛みを感じるようになる場合もあります。

膵臓損傷の原因

膵臓損傷の直接の原因としては交通事故が一番です。シートベルトやハンドルにぶつかることで急激に腹部に圧力をかけられることにより膵臓が損傷してしまいます。しかし胃をはじめとする他の臓器から守られている部位ですので相当の衝撃を受けなければ発症しません。
腹腔鏡手術によって血管や臓器に傷がつき、膵液がもれたり膵臓が破裂したりすることでも発症します。
膵液は食物を消化させる働きがあるため、膵臓損傷によって膵臓が破裂したり漏れ出したりすると膵液中の消化酵素によって周囲の他の組織にダメージを与えることになります。壊死した部分から感染症を合併したり、腫瘍化する場合もあります。膵液のバランスが崩れることによって膵臓の細胞を壊死させてしまう場合もあります。

膵臓損傷の治療法

外傷や手術による膵臓損傷を予防するためには、感染症や合併症の防止を徹底することが必要です。手術の際には細心の注意をし、術後は安静にして経過を見守ることが必要です。場合によっては抗生剤や抗菌剤などの投与も必要になります。
アクシデントが原因の場合には予防することは難しくなりますが、運転中にハンドルに近すぎたり、シートベルトをきつく締めすぎたりすることのないよう適度を心がけることが大切になります。血糖と血圧に注意し、肥満や食事、アルコールなどにも気を付ける必要があります。消化器系疾患ですから、急激な変化がよくないのです。