骨形成不全症とは
骨形成不全症は、骨を形成する上で重要な成分であるコラーゲンに先天的な異常が起こることで、骨が脆くなる疾患です。骨折の治療中に骨変形を起こすこともあります。国内の有病率は1万人に0.193人と低く、小児慢性特定疾患の指定を受けています。
骨形成不全症の症状
骨形成不全症は、4つの型に分けられます。骨変形や低身長などの症状がない型は、骨折の回数も少ないのが特徴です。眼球の白い部位が薄い青色になることがあります。4つの型の中で最重症型のものは、周産期に死亡するケースが多く見られます。骨の強度が弱く、分娩時にさまざまな部位が骨折してしまいます。そのため、頭蓋内出血や胸部低形成による呼吸困難が起こり、死亡する場合もあります。
2番目に重症型のものは、骨折を何度も繰り返し、骨が変形したり低身長になったりします。日常生活に車椅子が必要になる人もいます。比較的軽症な型は、強膜の色も正常で、常染色体優勢遺伝です。
骨形成不全症の原因
骨形成不全症の原因は、ほとんどが骨の形成に不可欠な遺伝子である1型コラーゲンに変異が起こることです。合成量が低下したり、質的な異常が起きたりすることで発症します。また、遺伝性疾患であるため、常染色体優勢遺伝を基本とし、両親のどちらかが骨形成不全症患者である場合、50%の確立で遺伝します。しかし、必ずしも遺伝するわけではなく、遺伝子の突然変異による発症もあり得ます。
まれなケースとしては、常染色体劣性遺伝による発症もあります。この場合は、コラーゲンの質的な異常が原因です。なかにはCRTAPに異常が原因となって骨形成不全症を引き起こすこともあります。
骨形成不全症の治療法
骨形成不全症の治療には、骨密度を高めるために点滴や内服薬の投与が行われます。筋力低下をはじめとした運動発達の遅れには、理学療法によるリハビリを適用します。四肢やからだの自発的な運動を目的とし、座る、立つなどの動作を装具など用いながら訓練します。適度なストレスを加えながら骨を強くしていきます。
骨変形がみられる場合は、骨折が起きやすく体重が十分にかけられなくなるため、手術によって変形を矯正します。骨折した場合には、手術するケースが多くみられます。
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