結核性髄膜炎とは
結核性髄膜炎は、結核菌が髄膜(脳を包む膜)に病巣をつくることで起こる疾患です。結核の中でも難治性の疾患で、死亡率は3割程度にのぼります。また、後遺症をもたらす場合も少なくありません。早期発見と治療が大切な病気です。
結核性髄膜炎の症状
結核性髄膜炎の症状は、激しい頭痛と発熱が特徴です。特に頭痛は、がんがんとした耐えられないほどの痛みが起こります。また、吐き気や嘔吐などの症状が起こり、首がかたくなって下が向きにくくなる髄膜刺激症状が起こります。このような症状がしばらく続いたのち、意識障害が現れたり、脳神経の障害、視力障害、けいれん、水頭症などを起こしたりすることがあります。
また、乳児の場合は、頭痛などの不調により不機嫌な態度になるケースがあるので、注意が必要です。
症状は一般的に約2週間程度で明らかになっていく亜急性のものが多いですが、人それぞれです。なかには認知機能の低下などがあらわれる場合もあります。
また、肺結核に罹患していなくても、結核性髄膜炎になる場合もあるので、注意が必要です。
結核性髄膜炎の原因
結核性髄膜炎は、通常は結核菌が血液の流れにのって髄膜に運ばれてきて、感染することで発症します。肺結核が原発巣になることが多いですが、その他にも骨や腎臓などさまざまな部分が原発巣になります。しかし、なかには原発巣がなく原因が不明の場合もあります。検査は頭部MRIや髄液検査などが行われます。また、結核菌が血液に侵入している場合、全身に散らばり複数の場所で結核が発症していること(粟粒結核)があるので、それらの所見を確認します。
結核性髄膜炎の治療法
結核性髄膜炎は、初期診断が難しく、難治性でもある病気なので、予防をすることが大切です。結核性髄膜炎は肺結核と同様に、BCGワクチンが予防に有効です。乳幼児期にBCGワクチンを接種するようにしましょう。また、結核性髄膜炎は発見と治療の開始の早さが予後と関わってくる病気なので、ひどい頭痛など疑わしい症状がある場合は、早急に受診するようにします。
治療は、イソニアジドやリファンピシンなどの抗結核薬を使用するほか、副腎皮質ステロイド薬や水頭症などでは必要に応じて外科手術も行います。
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