22q11・2欠失症候群とは
22q11・2欠失症候群とは遺伝子の染色体異常による先天的な疾患です。23対ある染色体のうち22番染色体Qの11.2の部分に微細な欠失があることが認められており、先天的遺伝子疾患の中では比較的症例数の多い疾患です。心奇形、低身長、血小板減少など、症状は様々です。
22q11・2欠失症候群の症状
22q11・2欠失症候群の症状は180もの合併症があると言われさまざまですが、頻度の高い症状としてあげられるのは、特徴のある顔つきです。また先天性心疾患や口蓋裂・鼻咽腔閉鎖不全、胸腺の低形成や欠損に伴う免疫不全、副甲状腺の低形成や欠損に伴う低カルシウム血症などが見られます。その他にも腎臓や泌尿器系、摂食障害、難聴なども見られます。また乳児期の発達の遅れも多く見られる症状です。言葉の発達、身長の伸びなども概して遅いですが、成長に伴って追いついてくることが多いです。学童期からは学習障害やADHDが明らかになることもあり、思春期から統合失調症など精神的な疾患を発症することもあります。
22q11・2欠失症候群の原因
22q11・2欠失症候群の原因は先天的に22q11・2染色体に微細欠失があるためです。22q11・2は他の染色体よりも欠失しやすいという特徴があるため遺伝子異常のなかでは頻度が高く、3000~6000人に一人の確率で出現します。欠失の原因は母体の影響などではなく、生物学上一定の範囲で出現する突然変異による場合がほとんどです。22q11・2染色体には約30~40の遺伝子が集まっているため多くの先天的な疾患が見られますが、なぜ症状に大きな個人差があるのかは詳しく判明していません。両親のいずれかが22q11・2欠失を持っている場合は50%の割合で遺伝します。
22q11・2欠失症候群の治療法
22q11・2欠失症候群はほとんどが突然変異で起こる染色体異常であるため予防することはできません。ただし両親のいずれかに22q11・2欠失がある場合は50%の確率で遺伝するため、家族歴からリスクが予想できる場合や超音波検査により22q11・2欠失症候群に特徴的な疾患が見受けられる胎児に対して出生前診断を受けることは可能です。治療に関してはそれぞれの症状に応じて外科的・内科的に対応します。心身の発達に関しては1歳前後の早期から専門的な療法を開始するケースが多くなっています。
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