アルカプトン尿症とは
アルカプトン尿症とは、チロシン代謝経路で、アルカプトンとも呼ばれる、ホモゲンチジン酸を分解するホモゲンチジン酸酸化酵素が欠損している先天性代謝異常の疾患の一つです。アルカプトン尿症は、新生児300万人~500万人に対して1人の割合で発症しています。
アルカプトン尿症の症状
アルカプトン尿症では、汗や尿にホモゲンチジン酸が大量に排出されますので、尿を放置すると黒変します。乳児では、おむつに付着した尿が黒く変色します。ホモゲンチジン酸が体内に蓄積していくことによって、20歳~30歳頃になると、組織黒変症の症状が現れはじめます。眼や耳に青い色素がすることから始まり、やがて全身の軟骨や線維組織への色素沈着が進行していきます。
40歳~50歳では、全身の大きな間接への関節炎の症状が現れます。関節の痛みによって運動が制限されるばかりではなく、寝たきりとなるケースもあります。
アルカプトン尿症の原因
アルカプトン尿症は、常染色体性劣性遺伝による先天性の病気です。HGD遺伝子の変異によって、ホモゲンチジン酸酸化酵素の欠損が生じるとされています。アルカプトン尿症が判明した場合には、発症リスクのある親族の尿検査を行うことで、関節炎などの合併症への対策を講じられます。
患者の子どもが、アルカプトン尿症を発症する確率は25%、症状はなく保因者となる確率は50%とされています。そのため、血族結婚では、アルカプトン尿症の発生頻度が高まります。アルカプトン尿症は、大動脈弁の閉鎖不全や大動脈拡張、腎臓や前立腺の結石の原因となることもあります。
アルカプトン尿症の治療法
アルカプトン尿症は、先天性の代謝異常ですので、予防法は確立されておらず、アルカプトン尿症の有効な治療方法も確立されていません。色素沈着を抑制するために、ビタミンCが投与されます。関節炎の進行を抑えるためには、水泳などの運動によって、関節の可動域が維持される効果があります。間接炎には、筋力や柔軟性を保持するために、理学療法や作業療法が行われています。膝や腰、肩の間接炎が進行した場合には、置換手術が施されています。
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