三尖弁閉鎖症の症状

三尖弁閉鎖症になっていると、血液循環がうまくいっていないため、爪や唇などの粘膜が紫になるチアノーゼの症状が現れます。三尖弁閉鎖症を煩って生まれてきた赤ちゃんの場合、ほとんどは生後1日目にチアノーゼの症状からで気づかれることが多い病気です。
  
三尖弁閉鎖症は、右心室と右心房がつながっていないため、通常と違った血流の流れを余儀なくされます。血流の流れ方によって見られる症状も異なる傾向があります。血流の流れが肺に行きづらい赤ちゃんの場合はチアノーゼが強い傾向があり、肺に行きやすい場合は心不全の症状が見られやすくなるのが特徴です。

三尖弁閉鎖症の原因

三尖弁閉鎖症になる原因は、現段階では解明されていません。母親の胎内で心臓を形成する器官ができる段階での異常ということが、研究結果から分かっています。
  
大体、胎生30日前後の段階で起こることが多く、生まれる前に胎児エコーや心音などで発見されることもあります。胎児のときに母体からのなんらかの影響が三尖弁閉鎖症の原因になるということも現段階の研究結果では報告されていません。
 
三尖弁閉鎖症では、三尖弁が閉鎖しているだけでなく、右心室の奇形も併せて見られる場合があります。特に心室中隔欠損を伴う場合が多く見られます。

三尖弁閉鎖症の治療法

三尖弁閉鎖症は、先天性の心疾患のため予防法はありません。三尖弁閉鎖症が発見された場合は、血流のバランスを点滴や薬などで調整し、体重増加を促します。手術が可能な体重に増えれば手術を行い治療します。
  
三尖弁閉鎖症の治療最終目標としては、フォンタン手術という心臓の機能修復をするバイパス手術を行います。フォンタン手術は、ある程度成長しないと行うことが不可能な手術なため、それまでに症状や成長に合わせてBTシャント術や肺動脈絞扼術、グレン手術等を行います。