環状肉芽腫とは
環状肉芽腫は、虫さされ、外傷、糖尿病などが原因で真皮にあるコラーゲン組織が壊され、皮膚に赤みを帯びたドーナツ状の膨らみができる疾患といわれています。指や手の甲、足の甲の関節部に多く見られますが、痒みなどの自覚症状がありません。
症状
環状肉芽腫は、直径1~2cm位の大きさでドーナツ型のぶつぶつが、主に手、指、足それぞれの甲の関節部分に現れます。周辺部の皮膚と同色であり、痒みなど他の症状を伴わないため、自覚症状はありません。症状の一つである限局型は、単数、あるいは複数で現れる淡い紅色の小丘疹が遠心状に徐々に広がっていきます。患部の中心には陥没が見られ、小さいものでは1cm、大きいものでは5cm程の環状堤防状隆起が確認できます。
汎発型は、体幹や手の先、足の先の左右対称にまだら状の局面や丘疹、直径1cm以上の充実性の隆起が急速に起こり、部分的に環状配列が見られます。また、小児に多く見られる皮下型や紅斑型、など様々です。
原因
環状肉芽腫の原因は、はっきりわかっていません。しかし、以下のようなことが要因であると考えられています。
・カミソリ負けや引っかき傷などによる外傷
・ツベルクリン反応や帯状疱疹の瘢痕による外傷
・日光暴露
・虫さされ
・抗リウマチ薬の一つである金製剤
この他にも糖尿病が原因の皮膚症状として起こることもあります。子どもに現れた場合、検査の必要はありませんが、成人に現れた場合には糖尿病の検査を受けることが大切です。また、他の肉芽腫と鑑別するために、皮膚の生検及び病理検査も必要です。肉芽腫は、治療せず放置しておいても数年で消滅しますが、環状肉芽腫に隠された糖尿病の早期発見のための定期検査は重要です。
治療法
環状肉芽腫を予防するには、原因とされていることを回避することです。虫さされやツベルクリン反応などは事前に防ぎようがありませんが、患部を引っかかないようにすることで発症リスクを軽減できます。痒みを感じたら薬をつける、あるいは医師の指示に従うなど正しく対処することが大切です。また、日光による発症事例が報告されていることから、過度な日光浴を避ける事も重要です。環状肉芽腫は糖尿病の症状として現れる場合もあるため、症状が現れたら早めに検査行うことで、糖尿病の早期発見、早期治療にもつながります。
- このコンテンツは、病気や症状に関する知識を得るためのものであり、特定の治療法、専門家の見解を推奨したり、商品や成分の効果・効能を保証するものではありません
- 専門家の皆様へ:病気や症状の説明について間違いや誤解を招く表現がございましたら、こちらよりご連絡ください