症状

脱色素性母斑の症状は、他の白斑と異なり、出生時や出生直後に症状が確認できます。色素形成作用が低下してしまった皮膚が白いアザのように見えます。主に、体幹や四肢に多く見られ、頭部や顔面にはあまり症状は見られません。症状が確認できてから大きさが変化することなく、経過していくことも他の白斑と異なる点です。
  
健康に影響を及ぼすことはなく、他人に感染するものでもないため、必要以上の心配はいりません。しかし、似たような疾患の色素失調症であることを見逃してしまう危険性を秘めているため、拡がりや変化が見られる場合には、皮膚科医に相談するなど注意が必要です。

原因

脱色素性母斑は、人間が胎内にいる時に、メラニンを作るメラノサイト数などに異常は見られないものの、メラニン生成量が部分的に少ない、あるいは生成されないことが原因で起こるとされています。ただし、なぜメラニン生成量が部分的に少なくなるのかなどといったことは、明確にはされていません。
  
悪性でないことに加え、痛みやかゆみなど不快感を覚える症状はなく、遺伝することもないため、あまり神経質になる必要はないです。
  
範囲が徐々に拡大していく場合には尋常性白斑、表面に粉のようなものが見られた場合には癜風、身体の広範囲に及ぶ場合には色素失調症など別の疾患の可能性もあるので、注意しながら経過を見守ることが大切です。

治療法

脱色素性母斑は、何らかの原因でメラニン生成量に異常があることで起こるため、事前に予防する手立てはありません。生まれつき見られる脱色素性母斑は、自然に消滅することはありませんが、健康に害を及ぼす心配もなく、伝染や拡大もないことから、特別な治療の必要はありません。
  
ただし、見た目が気になるようであれば、紫外線を当てる治療や皮膚移植など方法はありますが、跡が残る可能性もあるため、医者と相談を重ねて慎重に決断することが大切です。