特発性細菌性腹膜炎の症状

特発性細菌性腹膜炎の主症状は発熱と腹痛ですが、症状が表に現れるのは約半数に過ぎず、残りは無症状になります。

医師の診察で腹部を圧迫した時に生じる痛み、ブルンベルグ兆候があるのも半数程度になります。肝臓に関わる基礎疾患をもっていると発熱しやすいといわれていますが、38度以上の高熱が出た場合は特発性細菌性腹膜炎を疑う必要があります。

肝硬変などで腹水がある状態で通院中であり、発熱、腹痛といった症状がでてきた場合は早めに主治医に相談し検査を行うことで病気の早期発見につながります。進行すると嘔吐、下痢、その他精神症状などが現れることがあります。

特発性細菌性腹膜炎の原因

特発性細菌性腹膜炎は前提として腹水を引き起こす基礎疾患があることが原因となります。

腹水が生じる疾患の中でも約80%を占めるのが肝硬変です。肝硬変はアルコールの過剰摂取が原因として知られていますが、日本人の場合はほとんどがB型、C型肝炎といったウイルス性によるものになります。特にC型肝炎ウイルスが原因だという肝硬変患者は全体のうち半数以上を占めています。

その他では急性肝炎や膠原病、ネフローゼ症候群なども腹水の症状が現れることがあります。腹水がたまると細菌感染がおこりやすい環境になるため細菌は腸の粘膜や血行やリンパ腺から腹腔へ入り込みます。

特発性細菌性腹膜炎の治療法

特発性細菌性腹膜炎を未然に防ぐためには、基礎疾患で生じた腹水の状態を知ることが先決です。

腹水の数値が低タンパク質濃度であったら、利尿剤を投与することでタンパク質濃度を上げることができます。消化管に出血がみられる場合は非吸収性の抗生物質で対処します。

この病気の代表的な基礎疾患である肝硬変にならないようにするためには、生活習慣を正すことが予防につながることもあります。適度な運動とバランスのとれた食事、タバコを吸わない、アルコールは控えるなど普段からの心がけが大切です。