原発性免疫不全症候群/先天性免疫不全症とは
原発性免疫不全症候群/先天性免疫不全症というのは、身体に入ったウイルスなどを除外するための免疫システムが、何らかの原因によって働かなくなってしまっている病気のことです。この疾患に罹患する割合は、おおよそ10000人に1人程度と言われており、まれな病気です。
原発性免疫不全症候群/先天性免疫不全症の症状
原発性免疫不全症候群には、身体が感染症にかかりやすい「易感染性」の症状がみられます。これにより、・罹患した風邪がなかなか治らない
・何度も発熱がぶり返す
・1シーズンの間において、風邪を発症する回数が多い
などの状況に陥ります。
通常、易感染性の状態にあっても、入院治療などを経て、やがては感染症の症状が改善していきます。しかし、重篤なケースの場合は感染症が良くならず、命の危険につながることもあります。
抗体産生に問題をきたす場合においては、細菌感染が多くなり、T細胞に問題をきたす場合においては、ウイルス感染が多くなることが特徴的です。
原発性免疫不全症候群/先天性免疫不全症の原因
原発性免疫不全症候群の主だった原因は、免疫系に働くタンパク質を生成する遺伝子に異常をきたすことであると考えられています。なかでも特に、X染色体に原因遺伝子があるケースが多いと考えられており、この場合は、男の子だけが原発性免疫不全症候群を発症します。性染色体以外の遺伝子が原因で発症することもありますが、X染色体からこの疾患を発症する割合が比較的高く、おおよそ60%程度の罹患者が男性に傾倒しています。
ダメージを受ける免疫機能には、B細胞、食細胞、補体タンパク質などさまざまにありますが、T細胞に異常をきたす割合が最も多いとされています。
原発性免疫不全症候群/先天性免疫不全症の治療法
原発性免疫不全症候群は、胎児の段階で免疫に異常をきたす病気であるため、予防する方法は現段階では特にありません。しかし、比較的軽症のケースであれば、ヒト免疫グロブリンを補う方法や抗菌薬を投与することで、日常生活に支障なく日々を過ごすことが可能です。
重症なケースになってしまうと、重症複合免疫不全症などを引き起こす可能性があり、この場合は可能な限り早期の段階で、造血幹細胞手術を行うことが望まれています。
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