放射線障害の症状

放射線障害は人体への影響により早期障害、晩発障害、後世代的障害に分かれます。
  
早期障害は、被曝後数週間以内に見られる障害のことで、急性放射線症の発症前には、食欲不振、嘔吐、倦怠感などが現れます。発症後の症状は吸収線量により異なり、紅斑、脱毛、白血球・血小板減少、貧血、腹痛、下痢、潰瘍などが見られます。
  
中枢神経系障害が起きると感情鈍麻、興奮、運動失調、けいれん、意識障害が生じ、短時間で死に至るため注意が必要です。その他、男女ともに不妊となる生殖機能障害も見られます。晩発障害では放射線性白内障、胎児への影響、悪性腫瘍、白内障などが現れ、後世代的障害では被曝した人の子孫に突然変異が見られます。

放射線障害の原因

放射線障害は、放射線の生物学的作用が原因となり、生体内の細胞や組織が変化して細胞は分裂阻害、変異、死滅、組織の破壊などを起こし発症します。
  
具体的には、原子炉事故、臨界事故、電離放射線取り扱い従事者の被曝事故などで発生します。通常1Gy(グレイ:吸収線量)以上の全身被曝を受けると症状が現れますが、被曝から発症までの時間や重症度は被曝量により変わります。時間をかけて低線量率で被曝した場合は、短時間に高線量率で被曝したときより軽度になると考えられています。
 
自然界にも放射線は存在し、知らない間に放射被曝を受けていることもありますが、通常、心配する必要はありません。

放射線障害の治療法

日本では電離放射線防止の安全基準を定めた「電離放射線障害防止規則」という厚生労働省令があり、1年間に受ける放射線量に限度が設けられています。眼の水晶体では150ミリシーベルト、皮膚では500ミリシーベルトと定められているため、電離放射線取り扱い従事者などは十分に注意しなければなりません。
  
一般的な医療機関でのX線検査などでは心配する必要がありませんが、もしも放射線被曝をしてしまった場合は、早急に医師の診断を受ける必要があります。