頭蓋内出血の症状

出血は頭蓋骨の中で起こるため、特に出血量の少ない場合には外観的にも変化は見られません。しかしながら、時間が経過して出血量が増加する、あるいは血腫が形成されると、脳が圧迫され、それによる症状が現れます。具体的には、全身が青白くなる、頭痛や嘔吐が起こる、意識がなくなる、などで、早ければ出血から数時間以内に症状が現れます。
  
CTやMRIによる診断で出血の確認が可能であるため、疑わしい場合にはすぐに病院へ行くことが必要です。また、血管が成熟していない乳幼児は成人と比較して頭蓋内出血を起こしやすくなっています。

頭蓋内出血の原因

頭蓋内出血の多くは頭部へ強い衝撃を受けることによって頭蓋内の血管が切れるため起こります。出血が起こる場所はどのような衝撃を受けたかによって異なり、例えば試合中にタックルをする機会の多いラグビーやアメフトなどのスポーツでは、直接頭部へ衝撃を受けた場合ではなくとも、試合中に頭蓋骨の動きと脳の動きがずれてしまい、脳と硬膜の間をつなぐ架橋静脈と呼ばれる血管に出血が起こりやすいとされています。
  
また、頭部に直接ものが衝突する場合などには、皮膜外に出血が起こりやすく、ボクシングやサッカーなどがこれに相当します。もちろんスポーツ以外の場面でも頭部に衝撃が加わる可能性はあるため、日頃から注意が必要です。

頭蓋内出血の治療法

頭蓋内出血を予防するためには、頭部へ強い衝撃の加わる行動を控えることが最適です。スポーツを好む人の場合は、頚部の筋肉を鍛えることで、頭部への衝撃が和らぐ効果が期待されるため、こちらも有効な予防法です。
  
乳幼児の場合には、出生から2~3日の間に頭蓋内出血を起こす場合もあるため、周囲の大人が症状を見逃さないように見守り、早期発見と最適な治療を行うことが最も必要になります。症状が強くなるほど脳性麻痺などの後遺症をもたらしやすくなるため、疑わしい場合には早めに診察を受ける日必要があります。