肺分画症の症状

肺分画症のうち、正常肺の外側にできているものを肺葉外肺分画症といいます。ほとんどが無症状で、自覚症状がないまま、レントゲン検査などで見つかったりします。
  
肺の内側にできているものは肺葉内肺分画症といい、気管支とのつながりがないと発見されにくいですが、つながりを持っている場合は発熱や呼吸困難、肺炎などの呼吸器感染を繰り返したりすることで見つかります。
  
最近では、胎児の時に超音波検査で発見されることもあります。肺葉外肺分画症だと胸水が大量にたまるなどの症状が起き、胎児治療を行ったり、生まれてからすぐに治療が必要になる場合もあります。

肺分画症の原因

肺分画症は、肺の一部が大動脈から栄養を受けている状態であり、先天性の疾患であることはわかっていますが、発生原因についてははっきりと解明されていません。
  
しかし、胎生期に肺が形成される際に、血流や肺胞、気道系といったような体循環供給システムが、正常な肺芽とは別に、違う肺芽破片にも残ったまま発育していったのではないかという意見があります。
  
肺葉内肺分画症と肺葉外肺分画症では4:1ほどの割合で肺葉内肺分画症の発生が多くなっています。肺葉外肺分画症は、生後6ヶ月以内での発症が60%程度となっており、高確率で横隔膜ヘルニアといった奇形が合併してあらわれています。

肺分画症の治療法

肺分画症は先天的異常によるものなので予防法はなく、無症状であれば特に治療を行う必要はありません。しかし、肺炎になりやすかったり、気管炎症を起こすことが多い場合は切除を行うことが勧められます。また、無症状でも今後炎症をおこすことなどのリスクを考慮し切除することもあります。
  
肺葉外肺分画症の場合、外側にできている病気の部分の肺を切除します。肺葉内肺分画症では、病気の部分を含めた肺葉を取り除きます。幼少期に発見され、切除した場合は、切除後も肺の成長が期待できます。