好酸球性肉芽腫とは
好酸球性肉芽腫は骨腫瘍によく似た症状を示す病気で、骨髄の造血細胞の中の組織球が増殖して発症します。名前の由来は顕微鏡で見ると組織球の周りに白血球の一種の好酸球が多く出現しているのがわかるためです。10歳未満の子どもに多く発症する良性疾患です。
好酸球性肉芽腫の症状
好酸球性肉芽腫の症状は特定の部分に骨破壊が起こり、痛みを感じることから始まります。発症しやすい部位は大腿骨や上腕骨、鎖骨、骨盤、脊椎などです。脊椎に発症した場合には腰や背中が痛み、脊椎の一つがつぶれて扁平になるカルベ扁平椎と呼ばれる症状を起こします。肺のみに症状が起こることもあります。好酸球性肉芽腫は一定の期間を過ぎると破壊された骨も修復に向かい、経過観察しているうちに自然消滅することもあります。
しかし同じ細胞増殖から発症する病気でも骨破壊が多発している場合やリンパ節の腫れや血小板の減少などの全身症状が出る場合は増悪することもあり、正確な診断をする必要があります。
現在ではランゲルハンス細胞組織球症と呼ばれています。
好酸球性肉芽腫の原因
好酸球性肉芽腫を発症する原因は不明でわかっていません。しかし、骨破壊の起こる原因は骨髄の中にある血液を作る細胞の一つである組織球が増殖することによります。組織球の周りにはエオジンと呼ばれる細胞質と好酸球が多く出現しています。また発症年齢は20歳以下が多く、ほとんどが10歳以下であることも特徴です。骨破壊の病変はX線写真で確認できますが、骨肉腫やユーイング肉腫など好酸球性肉芽腫以外の疾患との区別がつきにくいため明確な診断は生研で行います。
好酸球性肉芽腫の治療法
好酸球性肉芽腫は原因不明の病気であるため予防法はありません。基本的には経過観察を行い必要であれば痛み止めを服用します。骨折の可能性が高い場合や痛みが強い、多臓器にわたるなどの場合には病変部の掻爬やステロイド薬の使用、少量の放射線照射、化学療法などの治療が行われる場合もあります。
症状があれば早急に小児科を受診することが必要です。
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