先天性難聴の症状

先天性難聴の症状は乳幼児期から音に対する反応が乏しいことです。例えば大きな音がしても驚かない、気にしない、ガラガラなど音のするおもちゃを喜ばない、呼んでも振り向かないなどの兆候が見られます。

また2~3歳になっても単語を話さないなど言葉の発達の遅れも顕著です。その他にもテレビの音を大きくする、大きな声を出す、理解できない言葉を喋るなども見られます。

3歳児検診でも聴覚検査が行われていますが、言語の習得における最適期は2~3才ごろとされているため、疑わしい場合はできるだけ早期に検査・診断する必要があります。

先天性難聴の原因

先天性難聴の原因はよくわからないものも多くふくまれますが、原因のわかるものとしては大きく以下の3種類に分けられます。
1つ目に遺伝性難聴です。遺伝子の変異が原因で、症候性の場合は難聴以外の障害も合併します。
2つ目に、胎生期難聴です。妊娠中の母体のウイルス感染(風疹・サイトメガロウイルス・トキソプラズマ・ヘルペス・梅毒)や 薬物(ストレプトマイシン)などがあげられます。
3つ目は、周産期難聴です。重症黄疸や仮死、早産、低酸素などの症状が出た時におこります。

先天性難聴は脳の障害ではなく内耳や中耳の障害が原因であるため、早期から補聴器や聴覚訓練、言語指導を行い、必要に応じて人口内耳の手術を行うことによって聴覚能力を訓練することができます。

先天性難聴の治療法

先天性難聴を予防するためにできる事は胎生期難聴を避けることです。そのためには妊娠前に風疹の予防接種をしておくことや妊娠前から治療を行うなど日常生活においてウイルス感染に注意をすることが大切です。また妊娠中はある種の抗生物質などに毒性が生じるため、薬を飲む場合には医師に相談することも重要です。

リスクの高い出産をした場合や他の兄弟に遺伝性難聴が出現している場合は新生児期から検査を行い、成長にあわせて経過観察していくことで早期発見に努める必要があります。