遅発性内リンパ水腫とは
遅発性内リンパ水腫とは子供の頃から、または発症時期が不明の高度難聴がすでにある人が数年〜数十年以上たってからメニエール病と同様の回転性めまい発作の症状が出るようになる、または難聴でないほうの耳に難聴や耳鳴りなどの症状が出るようになる病気です。
遅発性内リンパ水腫の症状
遅発性内リンパ水腫の症状はメニエール病と同様の回転性めまいが特徴の「同側型」と難聴でないほうの耳に症状の出る「対側型」の2つに分けられます。1つ目は、同側型です。数年~数十年前から片側か両側の耳が高度の難聴か全く聞こえない状態である人に発症します。メニエール病と同様の回転性めまいの症状が起き、吐き気や嘔吐を伴うことがあります。
2つ目は、対側型です。めまいに加えて高度難聴のないほうの耳に変動する障害が現れます。難聴、耳鳴り、耳閉塞感などの症状が変動しながら現れます。そのため両側の耳共に難聴となり、聴力が著しく低下してしまいます。
遅発性内リンパ水腫の原因
遅発性内リンパ水腫の原因ははっきりわかっていませんが、先行する高度難聴や耳が聞こえない状態の内耳が数年~数十年たってなんらかの異常を起こし、徐々に内リンパ水腫を引き起こしていくためと考えられています。内リンパ水腫はメニエール病の原因でもあるため同様のめまい症状が起こります。また内リンパ水腫も難聴の原因となるため、反対側の耳の難聴を引き起こしていることが考えられます。
先行する高度難聴の原因としてあげられるのは突発性難聴やムンプスウイルス性難聴、または原因不明の感音性難聴などの内耳障害とされ、原因は不明ながらそれが長年月経過後に内リンパ水腫を発症する内耳の異常につながっていくと思われます。
遅発性内リンパ水腫の治療法
遅発性内リンパ水腫の発症メカニズムはまだ解明されていないため予防することはできませんが、片側の耳に高度難聴のある人の約1~2割の人に遅発性内リンパ水腫が発症すると言われているので、該当する人は定期的な検査などで注意を払うようにするとよいでしょう。治療の方法はメニエール病と同様の治療が行われます。同側型の場合は主にめまいの制御が中心となりますが、対側型の場合は聴力の保持をまず一番に考慮しなければならず、難しいケースとなります。
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