過強陣痛とは
「過強陣痛」とはお産の際に子宮の収縮が異常に強い、周期が短い、収縮の時間が長いなどの症状を伴う陣痛をいいます。出産時に骨盤や産道が十分に開かずない、あるいは赤ちゃんが大きすぎる、胎位が良くないなどで、分娩がうまく進まず、陣痛が過剰に強くなるために起こります。
過強陣痛の症状
お産の時に赤ちゃんを体外に押し出すために子宮が収縮することを「陣痛」といいます。陣痛は筋肉が収縮し子宮内の圧力を高め、その結果子宮頚管が広がります。この子宮収縮は周期性をもち収縮と弛緩を繰り返すのが特徴です。正常分娩では子宮口が4~6cmの時の陣痛の周期はおよそ3分ですが、過強陣痛では1分30秒以内になるなど陣痛の周期に異常がみられます。
具体的な症状としては
・子宮内の圧力が上昇する
・陣痛の周期が短くなる
・陣痛が持続する時間が長い
などの状態が認められます。
お産に際して上記3点のうち1つでも症状が認められた場合は「過強陣痛」と診断されます。
過強陣痛の原因
通常お産の時には骨盤や産道が赤ちゃんを押し出すために広がります。陣痛は赤ちゃんを体外に押し出すために反復する子宮の収縮のことをいいます。しかしこの通り道が広がらず陣痛により赤ちゃんを押し出す力が過度にかかることで「過強陣痛」が起きてしまいます。この過強陣痛が起こる原因としては
・児頭骨盤不均衡
・狭い骨盤
・産道が固く抵抗が大きい
・精神的な興奮や自律神経の不安定
・胎位胎勢の異常
などがあります。
過強陣痛は赤ちゃんにとっても強いストレスとなり胎児ジストレズなど悪影響を及ぼすと考えられています。また子宮破裂や臍帯断裂などが起こることもあります。
過強陣痛の治療法
「過強陣痛」には予防法はなく、症状が現れた時点での対処法により緩和します。陣痛促進剤を使用している時はその使用をやめるか量を減らします。また過強陣痛によって強い痛みを感じ母体が興奮状態になった場合などは麻酔薬や子宮収縮抑制剤などを使用することもあり、点滴により状況に合わせて点滴の速度を決定します。また骨盤が狭いなど過強陣痛の原因を排除できない場合や母子の命に危険がせまっている時などには自然分娩から帝王切開術へと切り替えをします。
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