線維肉腫の症状

「線維肉腫」は痛みを伴うことはほどんどありません。発症カ所は身体のいろいろな部位ですが手足の四股や腹部、胸部、首の頸部、頭などに見られ、瘤(こぶ)として発見されることが多い病気です。痛みがないため早期発見が難しいとされています。

乳幼児型の場合その多くが生後1年以内に発症するのに対し成人型は年齢も幅広くなり10代から40代を中心として30歳代に最も多くみられるのが特徴です。大腿骨や脛骨、骨盤などにも発症することがあり、まれに病的骨折を起こすことで発見されることもあります。治療には組織と腫瘍を一緒に切除する広範切除術を行うのが一般的です。

線維肉腫の原因

「線維肉腫」の原因は乳幼児型と成人型で多少異なります。
乳幼児型では特定の第12番と第15番の染色体の一部が入れ替わるという配置異常がみられ、蛋白質に異常が見られることから染色体の配置異常が発症の原因であるとされる所以です。
一方、成人型の場合は遺伝子の異常が原因であると考えられています。乳幼児型と比べより複雑な遺伝子異常であるため直接の原因は判明していません。
痛みを伴わない腫瘍のため瘤となって発見されることが多いため早期発見が難しいこともあり乳幼児型の死亡率は25%であるのに対し、成人型は5年累積生存率は50%前後と高い肉腫です。これは成人型の約半数が肺や骨に転移が見られることによります。

線維肉腫の治療法

染色体や遺伝子異常による病気のため予防法はありません。
手術により肉腫のある組織といっしょに腫瘍を切除する治療が一般的ですが肺や骨に転移が認められる場合には化学療法や放射線療法などの治療が行われることもあります。
線維肉腫は腫瘍の悪性が低い程、転移の可能性は低くなりますが腫瘍の周辺にがん細胞が点在することが特徴であるため周囲の組織ごと切除することが必要となってきます。
抗がん剤や化学療法は、効果が期待できない事が多く、周囲の組織と腫瘍をひとかたまりに切除する広範切除術という手術法で、腫瘍を切除するでしょう。