パラコート中毒の症状

パラコート中毒による死亡率は飲む量が多いほど、また飲んでから時間が経つほど高くなります。摂取直後の症状は、誤飲防止のために混入されている催吐剤の影響で激しい嘔吐や腹痛が生じます。その後、口腔内から胃にかけての粘膜がただれて潰瘍や穿孔を起こす場合があります。声がかれる、飲みこみづらいなどの症状を自覚することもあります。

数日後には腎機能や肝機能障害などが起こり、オシッコが少なくなる・出ない、黄疸が現れます。多量に服毒した場合は、多臓器不全に陥り急速に死に至ることもあります。
最小致死量程を服毒した場合でも、進行性の肺線維症が生じて死亡するケースがあります。

パラコート中毒の原因

パラコートは1965年に英国で販売開始されて以降、除草剤市場を占有してきました。パラコートの毒性は体内に入ると活性酸素を発生させ、細胞膜を障害するというものです。

現在、パラコート中毒に陥る原因の一つである誤飲を防ぐため、苦味成分や臭気性物質、嘔吐剤、色素剤が含まれています。また、毒性の弱いジクワットとの混合液にして毒性を緩和させています。その結果、1986年のパラコート中毒による死者数がおよそ1200人であったことをピークに、死者数は減少の一途をたどり1997年には死者数が400人をきりました。

パラコート中毒の治療法

パラコート中毒は農薬に含まれている成分がパラコートという毒物で、死亡する程強力な物だということを知っておくことが予防につながります。

飲んだ量が少量で、直後は症状が軽かったとしても数日後には急速に症状が悪化する危険性があるため、もう大丈夫だと思わずに早急に医療機関受診してください。少量でも残っている場合、進行性の肺線維症になり死亡する確率が高く、生死に関わります。農薬を普段から使用している人はパラコートの取扱いには特に配慮が必要です。