フグ中毒とは
フグ中毒は動物性自然毒で食中毒によるものが一番多くみられます。フグの卵巣や肝臓にはテトロドキシンという毒物があり、普通の加熱調理等では毒性は破壊されません。主成分であるテトロドキシンは可逆的に神経を麻痺させる毒で、発症してから死亡するまでの時間は8時間程度で極めて致死率が高いのも特徴です。
フグ中毒の症状
フグ中毒の症状は4段階に分けられています。ふぐの毒量や毒力には個体差があり、ふぐの種類や部位、雄雌、漁獲海域や季節などによっても異なります。食後30分程度で発病が確認され、第一段階は唇や舌にしびれを感じます。吐き気を感じることもあります。
第二段階としては手先や足先にしびれを感じるようになり、味覚や聴覚、体の感覚を感じなくなります。
第三段階としては体全体を動かすことができなくなり、血圧が低下し、脈も弱くなっていきます。声が出せなくなり、水も飲めなくなります。最終段階は血管麻痺を起したり、意識がなくなり呼吸停止によって死亡することになります。
死亡率は40パーセントから80パーセントと高く、半数は4時間以内、残りの半数は8時間以内に死亡が確認されます。致死率が非常に高く、確実な治療法が確立されていません。
フグ中毒の原因
フグ中毒の原因となるのは食中毒です。ふぐの種類や部位によって毒性が異なり、肝臓や胃、卵巣などの内臓のほかに皮や身にも毒がある場合があります。そのため食用が許されたふぐでも食用にしてよい部位まで厳しく定められており、専用の調理資格を持つものだけが調理できるようになっています。毒の正体はテトロドキシンと呼ばれる物質で、無色で無味無臭です。末梢神経を麻痺させる作用があり、300度の高温で調理しても分解しないため、通常の調理方法では毒性が消えることはありません。
高級食材であるフグを食べることを楽しみにしていて、今まで食中毒になったことがない人でもフグの毒に免疫ができるわけではありませんので、フグ中毒には常に気を付けなければなりません。
フグ中毒の治療法
フグ中毒を予防するためにはふぐ処理営業許可証を取得している店舗でフグ調理の有資格者が調理してくれたものを食べることが大切です。フグの中でも国内の食用のフグは20種類程度で、その中でも毒を持っていないフグの部位を食べることになります。自ら釣ったフグを調理して食用にする人がフグ中毒となり死亡する例が多いため、専門店で専門職の人が調理してくれた食事を頂くことが大切です。
また養殖で人為的に与えた餌を食べていたフグは海にいる貝類を餌にすることがないため、体内に毒を築盛しないといわれていますので食用として摂取することは安全性が高いと言えます。
フグの旬といわれる6月から12月までの産卵期は毒性が強いとされていますが、毒には個体差があるため時期にかかわらず危険性はあります。
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