顔面播種状粟粒性狼瘡とは
顔面播種状粟粒性狼瘡とは顔面に小丘疹が多発する疾患です。20-30歳台に多く、男女差は特にありません。自覚症状はほとんど無いことが多く、1年から数年の経過で瘢痕を残して治癒することが多いです。その瘢痕も通常は徐々に目立たなくなってきます。
顔面播種状粟粒性狼瘡の症状
顔面播種状粟粒性狼瘡は顔面に現われるもので、顔以外の皮膚にはほとんど見られません。症状は鼻を中心に左右対称に赤ら顔になる、額・瞼・頬・口周囲にニキビのような小さく赤い丘疹や小結節、嚢胞を生じ、中央にくぼみが見られることもあります。ガラス版で丘疹を圧迫すると、黄色調となる特徴があります。
掻痒感には個人差があり、かゆみを伴う場合とさほど感じない場合とがあります。最も多い症状は、火照り感やピリピリ感を伴うことです。また、チーズに似た黄白色で乾燥性の壊死を伴う乾酪壊死という肉芽腫性の変化が見られ、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、尋常性ざ瘡との区別が必要です。
治療は長期に及ぶこともあるため、不安感やストレスなど精神的苦痛を伴うこともあります。
顔面播種状粟粒性狼瘡の原因
顔面播種状粟粒性狼瘡は組織学的に肉芽腫があることから、以前は結核菌への遅延型反応と考えられていました。しかし、現在では結核菌との関連は否定されており、はっきりとした原因は分かっていません。最も関係が深いと言われているのは、副腎皮質ホルモン剤によるものです。副腎皮質ホルモン外用薬を長期間にわたり顔面に使用した場合の副作用が、主な原因ではないかと考えられています。強力な副腎皮質ホルモン外用薬、特にフッ素を含有する副腎皮質ホルモン外用薬で起こりやすいと言われています。
アトピー性皮膚炎や脂漏性湿疹の治療では、血管収縮作用のある副腎皮質ホルモン外用薬を塗布することにより一時的に赤みが消失し肌がきれいになりますが、長期連用により顔面播種状粟粒性狼瘡を発症することがあります。
顔面播種状粟粒性狼瘡の治療法
顔面播種状粟粒性狼瘡の予防は、顔面にかぶれや湿疹ができた時、むやみに副腎皮質ホルモン外用薬を使用しないことです。まず、症状がひどくなる前に皮膚科を受診します。診察の結果で副腎皮質ホルモン外用薬を使用する必要があると判断された場合は、短期間の使用とし長期連用しないことが最も大切なことです。
アトピー性皮膚炎や脂漏性湿疹で副腎皮質ホルモン外用薬を使用し治療中の場合、外用薬を中止すると反対に症状が悪化することもあるため、自分で勝手に判断せず必ず医師の指示に従うようにします。
また、毛細血管を拡張する作用がある香辛料、アルコール、コーヒーなどもなるべく避けることが必要です。
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