反屈位とは
正常の場合、胎児は顎を胸につけて丸くなった「屈位」の状態から、少しずつ体を回転させながら後頭部から母親の骨盤内に入り込んでいきます。 胎児が逆に顎を上げて反り返った状態の事を「反屈位」といい、この場合、体位を正常に戻す事が出来なければ分娩の進行が困難になり、最終的には帝王切開により分娩を行う可能性もあります。
反屈位の症状
反屈位とは、胎児が顎を上げて反り返ったような形になり、普通は、母親のお腹側に胎児の頭になるところが、お腹側に胎児の顔がある状態になったりします。また、正常ならば、後頭部から母親の骨盤の中に入っていきますが、逆に上を向いているため、体の回転に異常を起こしやすく、頭頂部や顔、額から骨盤の中に入ろうとします。正常ならば、エコーに映らないと言われている顔や背中がエコーで見られたりします。
最初は、正常であったにも関わらず突然反屈位になることも珍しくありません。陣痛が持続しているのに分娩が進行しなかったり、分娩が長期化すると陣痛が非常に弱くなったり、異常に強くなったりします。
また、破水してしまうこともあり、その場合は、帝王切開で早急に胎児を取り出す必要があるケースもあります。
反屈位の原因
反屈位の原因は、はっきりとした事は分からないとされていますが、母体側からと胎児側からでそれぞれが考えられます。母体の子宮内が狭い事で胎児が動き回わりにくかったり、逆に広すぎて胎児の位置が定まらない事や子宮筋腫が出来たりと子宮の異常などがあげられます。また、小柄な母体であることで骨盤が狭い、骨盤の形態に異常ある、または羊水の量の異常なども考えられます。一方胎児側では、発達の問題で大きくなり過ぎると回転しづらく、また逆に小さすぎると位置が定まらない事や、胎児の奇形、胎児の頭が過大などが考えられます。妊娠中は、食欲が著しく旺盛になりがちで、母体が肥満になる事で、母体の産道に余計な脂肪がついたり、胎児の発育などに影響を及ぼす事なども考えられます。
反屈位の治療法
反屈位の予防としては、何よりも肥満にならないようにバランスの良い食事と食べ過ぎなどに十分注意し普段からの体調・体重管理が重要です。また重力の作用を利用した四つん這いの姿勢をとることも効果的とされています。反屈位が分かれば、吸引カップで治る場合もありますし、子宮口が開いていれば、医師の手で向きを変えるケースもあると言われています。骨盤に十分な広さと十分な陣痛があれば経腟分娩が行える場合もありますがそれが無理な場合は、緊急で帝王切開分娩を行います。最初は正常な状態でも分娩する段階で判明する場合もありますので常なる胎児の状態の観察が重要になります。
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