ヘイリー・ヘイリー病/家族性良性慢性天疱瘡の症状

ヘイリー・ヘイリー病は、脇や首筋などの皮膚の柔らかい部分に、水疱と呼ばれる原因不明の水ぶくれが出来て、症状が消えたと思っても次々に水疱が出てくる病気です。重症化すると、水ぶくれが破れて粘膜が見えてしまう、びらん、という状態になり、衣類など刺激物が少し触れただけでも痛みを伴います。

更に水疱が破れたことにより、周りの肌が湿ってしまい、周りの皮膚も傷めることがあります。現在ではステロイドの内服薬や外用薬が良く効くことが実証されてきています。水痘ウイルスが原因の、帯状疱疹などと区別がつかないことも多いため、自己判断で治そうとせず、水疱が軽いうちに皮膚科医師に相談し最善の方法で治すことが求められています。

ヘイリー・ヘイリー病/家族性良性慢性天疱瘡の原因

ヘイリー・ヘイリー病の原因は、ATP2C1という遺伝子の変異による難病です。体のカルシウムポンプという箇所の遺伝子に異常があることまでは解明されてきています。体内のカルシウムに関する情報を操作する遺伝子の変異で、なぜ水疱という水ぶくれが出来て治りにくくなるのか、ということはまだ解明されていません。

効果のある薬は比較的手に入りやすいステロイド剤となっており、他の難病に比べて症状が落ち着いている時期を保つことができます。他の難病に比べて、出血や激痛を伴う病気ではありませんが、首などの見えやすいところに水疱が出来ると人目が気になり外出ができなくなる等、生活の質を落とすことがあるため注意が必要です。

ヘイリー・ヘイリー病/家族性良性慢性天疱瘡の治療法

ヘイリー・ヘイリー病の予防は肌を清潔に保つことが必要となります。この遺伝子変異を持っている方が、脇や首の周辺などの柔らかい肌の部分に、細菌感染や摩擦の刺激を受けると発病したり、症状が悪化するためです。

普段から肌によい石けんを十分に泡だてて、こすらずに洗い流すなどの工夫が必要となります。また、刺激を避けるためには、衣類も綿製品などの肌に優しく刺激の少ない衣類を着用し、汗をかいたらすぐ着替えができるようにすることも必要となります。じくじくと湿った環境で悪化するため、常に皮膚をさらさらに保つことが大変重要です。